第107回全国高校野球選手権熊本大会が5日、開幕した。熊本市のリブワーク藤崎台球場に59校52チームが集い、快晴の大空…
第107回全国高校野球選手権熊本大会が5日、開幕した。熊本市のリブワーク藤崎台球場に59校52チームが集い、快晴の大空のもとで入場行進をした。この日は2試合があり、注目の開幕戦は熊本学園大付が、昨夏4強の天草工を破った。
開会式では県高校野球連盟の坂本憲昭会長が「今年は終戦から80年。野球ができる喜びと感謝の気持ちを忘れず、戦争のために野球ができなかった人々の思いも胸に込めて、大会に臨んでください」と呼びかけた。
前年度優勝校の熊本工から優勝旗が返還され、レプリカが授与された。県高野連の永年勤続者らや、大会パンフレットの表紙をデザインした御船の森井陽香(ほのか)さん(2年)の表彰もあった。
日程が順調に進めば、決勝は23日に同球場である。(伊藤隆太郎)
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言葉を決めたのは一週間前。それからずっと頭の中でつぶやき続けた選手宣誓は、満点の出来だったという。
「甲子園は夢の舞台です。その夢の先には何があるのかを確かめるために、いま一歩を踏み出します」
熊本商の田上大登主将(3年)が、高らかに声を響かせた。球場を拍手が包んだ。
宣誓を終え、ほっとした表情の田上主将。「みんなの思いをしっかり伝えられた」。次は試合だ。「キャプテンとして、しっかり責任を果たし、支えてくれたみなさんに恩返しをしたい」(伊藤隆太郎)
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開幕戦(熊本学園大付―天草工)の始球式を務めたのは、宇土のマネジャー本田侑那さん(3年)。ゆっくりと右腕を振って投げ込み、「一生に一度の経験。高校野球のマネジャーになって良かった!」と笑顔を見せた。
野球が好きで、選手たちを支えたいと1年の夏に入部。試合で頑張っている仲間の姿をみると、やりがいを感じるという。
チームの初戦は9日の熊本北戦。「1戦必勝で。私にとっても最後の夏。悔いのないように支えたい」。記録員としてベンチに入り、一緒に戦う予定だ。(林国広)