女子プロゴルフツアー終盤戦、それぞれの思惑(1)キム・ハヌル(28歳)1988年12月17日生まれ。韓国出身。今季出場24試合。優勝3回。賞金ランキング1位(獲得賞金1億1230万4000円)。※10月19日現在(以下同)「シーズン終盤…

女子プロゴルフツアー終盤戦、それぞれの思惑(1)

キム・ハヌル(28歳)
1988年12月17日生まれ。韓国出身。今季出場24試合。優勝3回。
賞金ランキング1位(獲得賞金1億1230万4000円)。※10月19日現在(以下同)

「シーズン終盤を迎えて、改めて振り返ってみると、(今季は)本当にここまですごく早かったな、と感じています。そして今、この位置(賞金ランキング1位)にいる限りは、もちろん賞金女王のタイトルも狙っていきます。

 ただ、(今週の)NOBUTA GROUP マスターズGCレディース(10月19日~22日/兵庫県)に出場したあと、翌週の試合はお休みし、その翌週も韓国ツアーのホステス大会に出場する予定です。そうなると、残りは伊藤園レディス(11月10日~12日/千葉県)からLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ(11月23日~26日/宮崎県)までの3試合のみ。1試合、1試合がとても大切になってきます。

 だからといって、タイトルを『絶対に獲る』と気負いすぎることがないようにしたいですね。とにかく、いい形でシーズンを締めくくれるよう、目の前の試合に集中してプレーしていきたいです」

上田桃子(31歳)
1986年6月15日生まれ。熊本県出身。今季出場26試合、優勝1回。
賞金ランキング10位(獲得賞金6171万165円)。

「成績に関して言えば、シーズン前の目標からすると思うような結果は出せていません。それでも、今季は『チャレンジする』ということが目標のひとつだったので、その点に関しては、毎週、毎週、自分なりにチャレンジすることを決めて、それが実践できていたと思うので、すごく充実していました。調子を落としたり、ケガをしたりして、練習ができない時期もありましたが、最低限のことはがんばってチャレンジできたと思います。

 1勝という結果については、もちろん納得のいくものではありませんが、想定内ではあります。やっぱり、ケガをしているとか、体が思うように動かせないとか、そういう状況になると、それがそのまま成績に出てしまいます。それでも、自分ができるベストは尽くしてきました。結果も含めて、『これが今の自分のベストなんだ』と受け入れるようにしています。

 残りのシーズンも、今、自分ができることに対してチャレンジしていく。その目標は変わりません。少しずつ光も見えているので、残りの試合で勝てるようにがんばりたい。そのための準備はきちんとしていきたいと思っています」

森田 遥(21歳)
1996年7月19日生まれ。香川県出身。今季出場25試合、優勝1回。
賞金ランキング14位(獲得賞金4940万6750円)。

「今シーズンの目標は、まず1勝することでした。それは達成できたので、今は体重を増やすことに専念しています。その理由は、ボールの質を高めるため、です。体重が落ちてしまうと、どうしても球の質が軽くなって、風に弱い球になったりしてしまうんです。(体も)疲れやすくもなるので、そういう悪循環をなくしたいと思っています。だから、今はトレーニングもこなしながら、体重を落とさないようにがんばっています。

 1勝できたことは、すごく自信になりました。本調子ではなかったですけど、今までのゴルフの経験が生きたのかなって思います。(終盤戦に向けては)大きな試合が続くので、ひとつでも上に行けるようにしたい。メジャー大会(LPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ)で勝てたらいいですけど、どの試合も勝つという意味では同じだと思うので、1試合、1試合、全力を尽くしてがんばります」

成田美寿々(25歳)
1992年10月8日生まれ。千葉県出身。今季出場26試合、優勝1回。
賞金ランキング8位(獲得賞金6489万7016円)。

「(今季の)ここまでの目標達成度は60%ぐらい。(シーズン前に)5勝するって言って、まだ1勝ですから。最初に優勝争いをした4月のKKT杯バンテリンレディスで優勝を逃して、5月の(メジャー大会である)ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップでも優勝争いに加わりながら、最終日に崩れてしまった。どちらかで優勝していれば、ポンポンと勝てていたかもしれないけど、そこで(勢いを)一度くじかれて、そこから立て直すのにちょっと時間がかかってしまいました。

 自分のゴルフの平均値は上がっていると思いますが、7月の大東建託・いい部屋ネットレディスで優勝したあとも、まだまだ調子に乗り切れていない。具体的には、ショットがグリーンに乗っていても、ピンに寄せ切れていないとか、パットが決め切れないとか、全体的に詰めが甘い、というのがありますね。

 残り試合は少ないですが、1億円突破を目指していきたい。あと6試合で約4000万円というのはかなり大変ですけど、そのためにも、あと2勝はしたいと思っています。特に、最終戦の(メジャー大会)LPGAツアーチャンピオンシップリコーカップは、絶対に獲りたいタイトル。過去、3位(2015年)、2位(2016年)と来ているので、あとは1位しかないですから」

柏原明日架(21歳)
1996年1月30日生まれ。宮崎県出身。今季出場27試合、最高位3位。
賞金ランキング17位(獲得賞金4696万66円)。

「今季の目標としては『優勝したい』というのが大きかったので、その気持ちを強くして開幕戦のダイキンオーキッドレディスを迎えました。そして、(初日を2位タイでスタートして、最終的には5位タイと)結果的には優勝できませんでしたけど、初戦からいいゴルフができたのはよかったです。

 でも、最終的に勝てなかったということは、どこかに理由がある。それを見つけて、すぐに克服できればいいのですが、今は(自分ができることを)続けることが大事なのかな、とも思っています。

 今季は、出遅れが減ったこともいい傾向ですね。あとは、大会を通して波がなく、全体のかみ合わせがよくなってくれば、もっといい結果が出せるかな、と思っています。残り試合ですか? それはもう『勝ちたい』ですね。優勝するためには何が必要なんだろうって、感じです」

比嘉真美子(24歳)
1993年10月11日生まれ。沖縄県出身。今季出場30試合、優勝1回。
賞金ランキング9位(獲得賞金6176万7350円)。

「シーズン前の目標は、4年ぶりに優勝することだったので、それを達成できたのはよかったです。これからの試合は、今季2勝目を目指してがんばりたい。

(低迷していた)昨季までとは、気持ちの部分で変わったことが多いと思います。また、(プレーの調子が)悪かった頃は、ドライバーで逆球が出たり、曲がったりして、振り切れない状態が続いていましたけど、今季は上半身と下半身のリンクが戻ってきて、ドライバーが振り切れるようになりました。そして、少しずつ調子が戻ってきたことが、結果につながったと思います。

 このあとは、メジャー大会で勝つ選手が本当に強い選手と認められると思うので、チャンスがあと1回残っている、(最終戦の)LPGAツアーチャンピオンシップリコーカップに向けていい状態を作っていきたいです。もちろん、それまでにもチャンスがあったら、優勝を狙っていきたいです」


堀 琴音(21歳)
1996年3月3日生まれ。徳島県出身。今季出場26試合。最高位2位。
賞金ランキング15位(獲得賞金4784万2832円)。

「(今季は)ここまでトップ10入りが9回ありますし、全体的に調子は悪くありません。それでも、まだ優勝がないので、とにかく『勝ちたい』という気持ちは常にあります。

 今の課題はパターです。ショットはシーズンを通して悪くなくて、チャンスにつけられています。でも、最後にパットが入らないので、そこで流れをつかみ切れないことが多い。それが、今季の成績につながっていると思います。

 初優勝まで『あと少しかな』という実感もあるので、残りの試合でベストを尽くしていきます」

「キム・ハヌル、上田桃子、堀琴音…。 女子プロ7名が語る終盤戦の野望」