夢舞台をかけた戦いが始まった――。茨城大会は5日、ノーブルホームスタジアム水戸で開会式と1回戦2試合が行われた。91校…

 夢舞台をかけた戦いが始まった――。茨城大会は5日、ノーブルホームスタジアム水戸で開会式と1回戦2試合が行われた。91校84チームが集まり、大観衆が見守るなか行進。開幕試合は太田西山が茨城高専・笠間に勝利した。6日は1回戦10試合が予定されている。

 開会式は午前9時に始まった。昨年優勝の霞ケ浦を先頭に91校84チームが行進。息の合った堂々とした姿に、観客席から大きな拍手が送られた。

 司会は牛久栄進の弘中葵さん(3年)と土浦三の斎藤陽奈多さん(3年)が担当した。2人とも野球部マネジャーで、はつらつとしたアナウンスで晴れ舞台をリードした。

 音楽で盛り上げたのは大洗のマーチングバンド部。部長の根本倖輝さん(3年)は「大勢の観客の熱気がすごくて演奏していて楽しかった。同じ高校生が頑張っている姿にワクワクしました」と満足そうだった。

 県高校野球連盟の榎戸努専務理事の開会宣言に続き、深谷靖会長が「みなさんが流す汗と涙のひとしずくが、地域社会に希望や感動をもたらしていることを誇りに思ってください」とあいさつ。朝日新聞水戸総局の宮崎健総局長は「勝利を呼び込むのは最後まであきらめない気持ち。チャンスはどのチームにもあります」と激励した。

(斉藤勝寿)

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 開会式の後、県高野連が長年の功労者7人を表彰した。7人は次のみなさん。

 役員表彰=小田部幹夫、西田滋、大津正志、松本公一▽指導者表彰=大竹利巳▽審判委員表彰=吉野保之、辻雄次(敬称略)(斉藤勝寿)

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 「今日まで大好きな野球をやってこられたことに、喜びと感謝の念でいっぱいです」

 日立工の青山海翔主将(3年)は、選手宣誓でこう語ると、緊張からかその先の言葉に詰まった。「胸の内いっぱいに思いがあふれてきてしまって、頭が真っ白になってしまった」と、開会式後はにかんだ。

 宣誓の言葉は、6月18日の組み合わせ抽選会で宣誓役に選ばれた直後から、顧問の先生らとともに練ってきたという。「昨秋に主将になり、最初はチームをまとめるという、当たり前のことにも苦労した。野球を続けられていることへの感謝を込めたかった」と話す。

 チームの初戦は、大会4日目の予定。「見て面白い、応援してくれる人たちの心に残るような試合をしたい」と話す。(古庄暢)

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 5日の開幕試合では児童3人による始球式があった。公募で選ばれた結城市立山川小学校の人見聡哉さん(6年)、ひたちなか市立美乃浜学園の薄井杏奈さん(5年)、大洗町立南小学校の和田空大さん(3年)が、それぞれミットめがけて投げ込み、観客から盛んな拍手を浴びた。

 人見さんは「高校球児と同じ一緒の場所で投げられ楽しかったです」。「みんなに見られてとても緊張しました」と感想を述べたのは薄井さん。和田さんは「ちょっと外れちゃったかな」と言って笑顔を見せた。

 6日の始球式を務める児童は次のみなさん。

 J:COMスタジアム土浦=河島百花、堀智尋、久松修造▽ひたちなか市民=上田英治、豊嶋航大、菊地澄晴▽笠間市民=諏佐湧斗、国府田琴音、小原颯真(敬称略)(斎藤茂洋)