今週も開催は引き続き「福島・小倉・函館」の3場。全国的に暑さのギアも一段上がったような今週。酷暑による騎手や馬の体調…

 今週も開催は引き続き「福島・小倉・函館」の3場。全国的に暑さのギアも一段上がったような今週。酷暑による騎手や馬の体調が気になる夏競馬が続くことになる。

 重賞は日曜日にひとつだけ。小倉競馬場でのハンデGIII・北九州記念(小倉・芝1200m)が行われる。かつては8月中旬から後半の開催だったが、昨年からはこの時期に開催が変わった一戦だ。いつものように過去10年データを使って、レース傾向と馬券ヒントを探っていこう。

1.1番人気は勝てない?

 いつものように、まずは人気上位馬の成績チェックから。

 1番人気馬は過去10年でなんと0勝。成績は[0-4-1-5]。2、3着はあるもののまったく勝てない。1番人気馬の勝利となると08年のスリープレスナイトまでさかのぼらなければならないのだ。1番人気馬の単勝馬券は怖くて買えないレベルである。

 2番人気馬の成績は[1-0-1-8]。3番人気馬は[2-2-1-5]。上位人気勢からは3番人気馬がいちばん良い成績となっている。

 ほかの7勝分は、5番人気(2勝)、6番人気、8番人気(2勝)、9番人気、16番人気が勝っている。人気順はほぼアテにならないと思っていいのかもしれない。

2.買うなら牝馬?

「夏は牝馬」の格言どおり、このレースでは過去10年中、牝馬の勝利が6回もある。

 ちなみに項目1で述べた9番人気と16番人気の人気薄勝利は、ダイメイプリンセス(19年)とボンボヤージ(22年)でともに牝馬である。

 さらに過去10年牝馬が連対しなかった年もない。過去10年の馬券圏内30頭中、18頭が牝馬なのだ。内訳としては3歳牝馬が5頭、4歳牝馬7頭、5歳牝馬4頭、6歳牝馬2頭。とにかく狙うならば牝馬のほうが良いのかも?

3.ハンデ傾向は?

 夏のハンデ重賞は、斤量による傾向もつかんでおきたいところだ。

 過去10年、最重量ハンデは56〜58.5キロの範囲で、当てはまる馬たちはのべ19頭。成績は[2-1-1-15]。勝っているのは、20年57キロで8番人気だったレッドアンシェル、18年56キロで6番人気だったアレスバローズだけ。いずれもトップハンデの人気薄だったわけだ。ちなみにアレスバローズは過去10年で一番タイムが良い1分06秒6を出している。

 一方、最軽量ハンデは49〜52キロの範囲で、当てはまる馬たちはのべ13頭(16年除外になった1頭は除く)。成績は[1-0-0-12]。勝ったのは21年51キロで5番人気だったヨカヨカ(牝3)だけ。最重量、最軽量ともに狙っていくにはちょっと成績が芳しくない。

4.狙うなら、逃げか、差しか?

 ここ2年はスタート良く、スムーズに先手を取って逃げたジャスパークローネ、ピューロマジックが勝っている。それぞれ2、3着も4コーナーで先団グループにいた馬たちだ。逆に上がり時計最速を出した馬たちは惜しくも馬券圏内にはなれていない。

 過去10年、逃げた馬は[2-1-1-6]。最速上がりを出した馬はのべ14頭で[2-1-1-10]。ほかの重賞に比べると上がり最速タイプの成績は芳しくない。

 特に昨年からは、夏の小倉開催での序盤に施行時期が変更。芝の良い状態で、どちらかというと前の馬たちが止まらない傾向になっていると判断できる。狙うならばスピードある逃げ・先行勢といえる。