(5日、第107回全国高校野球選手権佐賀大会1回戦 太良3―4伊万里) 九回表2死一、二塁、太良の主将、織田隆太郎選手…
(5日、第107回全国高校野球選手権佐賀大会1回戦 太良3―4伊万里)
九回表2死一、二塁、太良の主将、織田隆太郎選手(3年)が高めの球を振り抜くと、打球は右中間へ。同点に追いつく二塁打となり、笑顔を見せた。
「今まで精いっぱいやってきて、野球の神様がチャンスを与えてくれ、打つことができた」
開会式で、織田選手は選手代表として選手宣誓に臨んだ。「記憶に残る宣誓をやろう」と球児だった父親や、部の顧問と文面を考えた。「絶対に入れよう」と思ったのは仲間への思い。けがをしたり、ベンチ入りできなかったりした選手たちのことを挙げ、「その仲間の分まで精いっぱいプレーします」と声を張り、こう締めくくった。
「最後まで全力でプレーし、球場に感動の風を吹かせることを誓います」。スタンドから大きな拍手がわいた。
さっそく迎えた伊万里との初戦は3点をリードされる展開。だが、粘り強さがチームのモットーだ。九回、打ち取られれば試合終了という土壇場で同点に追いついたが、延長十回にサヨナラ負け。悔しくてしばらく動けなかった。
ただ、西日が差し込む球場に「感動の風」は、確かに吹いていた。(岡田将平)