第107回全国高校野球選手権大阪大会(朝日新聞社、府高校野球連盟主催)が5日、京セラドーム大阪で開幕した。 開幕試合に…

 第107回全国高校野球選手権大阪大会(朝日新聞社、府高校野球連盟主催)が5日、京セラドーム大阪で開幕した。

 開幕試合に先立って京セラドーム大阪では開会式が開かれた。

 淀川工科の吹奏楽部の演奏が鳴り響くなか、外野に整列した167校152チームのなかから、最初に本塁方向に進み出たのは前回大会を制した大阪桐蔭。続いて各校も、校名の入ったプラカードと校旗を掲げ、「イチ、イチ、イチニー」のかけ声とともに前進した。

 大会会長の川口伊佐夫・府高野連会長は「みなさんがこの舞台に進めるのは努力のたまものであると同時に、家族などの支えがあったから。感謝の気持ちを忘れずにプレーしてほしい」とあいさつした。

 大会名誉会長の北沢卓也・朝日新聞大阪総局長は「これまでの練習の成果と野球に懸ける思いを、惜しみなく発揮してほしい」と激励した。(武井風花)

■選手宣誓 「元気な体」に感謝

 開会式の選手宣誓では、箕面自由の中川陽喜(はるき)主将(3年)が「元気な体で野球ができていることに感謝し、勇気をもって仲間を信じ、最高の笑顔で野球を楽しみます」と語った。

 春は府大会の前に右太ももの肉離れを起こし、満足なプレーができなかった。元気な体でいられるのは当たり前じゃないと感じ、宣誓の言葉を考えていった。

 責任がある。絶対に失敗しない。そう自分に言い聞かせて家で何百回も練習し、部員みんなの前でも3回披露したという。

 そして迎えた本番。グラウンドの中央近くにあるマイクまで走っていく間は緊張していたというが、「マイクの前に立ったら、緊張がほぐれました。でき栄えは120点です」と自分をほめた。

 今は太ももも全快しており、初戦は11日。「宣誓をはずみにして、11年ぶりの初戦勝利をめざします」と意気込んでいた。(中島隆)

■司会進行も高校生2人で

 開会式の司会進行は、相愛高校の木村音葉さん(3年)とプール学院高校の奥田椛永(かえ)さん(2年)が務めた。はっきりと落ち着いた声で、球場にアナウンスを届けた。

 放送部員の2人は、1カ月ほど前から練習を重ねてきた。

 木村さんは「緊張したけど、楽しかった」と笑顔。各校の校名は「学校一つ一つに物語がある。全員にエールを送ろう」と、丁寧に読むことを心掛けたという。

 奥田さんは、グラウンドに立つと「景色が全然違った」という。緊張はしたものの、「応援する気持ちを込めて読むことができた」と話した。

 2人は、26日から香川県で始まる全国高校総合文化祭の放送部門に、大阪府代表の一員として出場する。(武井風花)