増田陸は第95代4番も務めている(C)産経新聞社 プロ野球のドラフト会議では、球界関係者の間でこんな格言があります。「真…

増田陸は第95代4番も務めている(C)産経新聞社

 プロ野球のドラフト会議では、球界関係者の間でこんな格言があります。

「真の評価は5年後、10年後にならないとわからない」

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 ドラフト会議の夜、メディアの中には12球団の獲得した選手を採点し、「勝ち組」「負け組」に分けることもあります。しかし、これらの採点は有名な高校生、特に甲子園球児を多めに獲得したチームが高評価され、いぶし銀の社会人選手が多い球団は低くなる傾向があるのです。

 やはり、真の評価はある程度の年数が経ってみないと、わからない--。

 そう再認識させられるのは、今年の巨人の戦いぶりです。今から実に7年前、2018年のドラフト獲得選手がなかなかの逸材揃いで、「実は神ドラフトだったのでは」とファンの間で再評価されているのです。

 アマチュア野球に詳しいライターは言います。

「2018年のドラフトは、今でもよく覚えています。当時、巨人の戦略にはファンからブーイングが飛んでいましたね。というのも、巨人は最初に1位で大阪桐蔭高・根尾昂を指名しますが、4球団による抽選の結果、外します。続いて立命館大学の辰己涼介を指名しましたが、これも4球団競合の末、外すのです。『外れ外れ1位』で指名したのが、八戸学院大学の左腕・高橋優貴だった。これには伏線があって、夏の甲子園で準優勝した金足農業の吉田輝星投手が『巨人が好きです』『行きたいです』と素直な思いを発言し、それを報道で知ったファンの間では『1位は輝星しかない!』との声が大多数だったんです」

 しかし、吉田輝星は日本ハムが「外れ1位」で単独指名。人気者をみすみすと持って行かれ、G党のフラストレーションがたまるドラフトになったのです。

 ところが、ふたを開けてみたら、支配下で指名した6人中、実に3人が現在、チームには欠かせない男になっているのですから、世の中わかりません。

「2位の明秀学園日立・増田陸は今季、第95代4番打者に抜擢されるなど大ブレイク。4位の大阪桐蔭・横川凱も先発ローテーションの一角を任されるなど、貴重な大型左腕として存在感を示しています。6位の聖心ウルスラ学園・戸郷翔征は今季、不振に苦しんでいますが、ここ数年は巨人のエースに君臨してきた。同期の高卒ドラフト選手3人が獲得から7年後、チームに欠かせない戦力になっているのは素晴らしいこと。スカウトの眼力が再評価されてもいいでしょう」(前述のライター)

 冒頭の格言はやはり、正しかったと言えそうです。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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