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 NBAが主催するアジア太平洋地域初の高校生向け国際大会「NBAライジングスターズ・インビテーショナル」が6月25~29日、シンガポールで開催され、京都精華学園高校は見事優勝を果たした。大会を終えた山本綱義コーチは、選手たちの成長や今後の課題、そしてインターハイに向けた意気込みを語った。

 準決勝では中国の清華大学附属高級中学に83−55で勝利。決勝では韓国の温陽女子高校と対戦し、109−40の圧倒的なスコアで頂点に立った。

「こういった大会は、なかなか経験できるものではありませんし、招待していただいたことが何よりありがたい。大きな舞台で選手たちがどういうふうに戦うのかを見られたことは、指導者としても非常に貴重でした」と笑顔を見せた。

 準決勝では中国の清華大学附属高級中学を破り、決勝では韓国の温陽女子高校と対戦。試合は序盤から京都精華が主導権を握り、高さとスピード武器に快勝。内容でも圧倒し、アジア各国の強豪校を退けて頂点に立った。

「相手に合わせることなく、自分たちのリズムを保って戦えていたと思います。個人としてもチームとしても、今の立ち位置を再確認するいい機会になりました」

 この大会を通じて得られた最大の成果は、選手たちの“経験値の向上”だ。準決勝で戦った清華大附属は高さや当たりに強みを持つフィジカルであり、決勝の温陽女子はシュート力が高く、緻密なディフェンスを武器に持つ難敵だった。その中で自分たちのスタイルを貫き、勝ち切った経験は、何よりの財産となった。

 また、主力だけでなく、控え選手の成長にも確かな手応えがあった。

「試合に出ている選手はもちろん、出番の少なかった選手も含めて、国際大会の雰囲気やスピード感を肌で感じたことで、次のステップへの意識が変わってくれるといいなと思っています。特にベンチにいるときの声のかけ方や、チームとしての連帯感は、この大会を通じてすごく良くなったと思います」

 さらに、海外チームと対峙したことで、「個の力」だけでなく「チームで戦うこと」の重要性を全員が再認識するきっかけにもなったという。これまで築いてきた京都精華のバスケを国際大会の舞台で証明できたことは選手たちの自信にもつながるはず。「だからこそ、今度はその成果を国内の舞台で形にしていく番です」と意気込んだ。

 京都精華学園は、インターハイ・ウインターカップともに3連覇中。4連覇の偉業を目指す夏に向けて、視線はすでに切り替わっている。

「この大会で何ができて、何ができなかったのかを、しっかり選手たちと振り返って、次につなげていきたい。4連覇という言葉にとらわれすぎず、目の前の1試合1試合に集中することが大事。日本に戻ってからの取り組み次第で、さらにチームは良くなると思います」

 国際舞台での確かな収穫を胸に、京都精華は再び国内最高峰の舞台へと挑んでいく。

文=入江美紀雄

【動画】京都精華、決勝戦ハイライト