陸上の日本選手権が4日、東京・国立競技場で開幕し、男子100メートル予選で7組に出場した世界選手権2大会連続入賞中のサ…
陸上の日本選手権が4日、東京・国立競技場で開幕し、男子100メートル予選で7組に出場した世界選手権2大会連続入賞中のサニブラウン・ハキーム(東レ)が10秒45の組4着で準決勝進出を逃した。自己記録10秒02の柳田大輝(東洋大)は不正スタートで失格。優勝候補2人が予選で敗退する異例の事態となった。
サニブラウンは3日の前日会見で、6月26日に右股関節の骨挫傷で全治3週間の診断を受けていたことを明かしていた。ただ「プロとして、見に来てくださる方や子どもたちのために走る」と強行出場を宣言。レース後、「できるだけのことをやって挑みました」と語った。
9月に国立である世界選手権東京大会への道が閉ざされたわけではない。3位以内に入り日本選手権での即時内定を決めることはできなかったが、すでに男子100メートルの世界選手権参加標準記録(10秒00)をクリアしている。ほかの選手との兼ね合いにはなるものの、可能性はまだ十分に残っている。
日本陸連の選考条件によれば、サニブラウンより選考条件で高い位置に入れるのは、日本選手権で8位以内に入った選手で参加標準記録を突破するか、世界陸連(WA)が定める東京世界選手権へのランキングで出場圏内の選手になる。
4日現在、男子100メートルの参加標準記録を突破した選手はサニブラウンだけだ。世界陸連のランキングで17位のサニブラウンは日本選手最上位。出場対象となる48位以内に入っているほかの日本選手は柳田だけで、柳田も出場の可能性を残している。
参加標準記録とランキングの有効期間は8月24日で終了する。(遠田寛生)