全国高校野球選手権鹿児島大会が5日に開幕する。連合を含む63チームが出場、甲子園を目指して熱戦を繰り広げる。注目カード…
全国高校野球選手権鹿児島大会が5日に開幕する。連合を含む63チームが出場、甲子園を目指して熱戦を繰り広げる。注目カードや大会の展望を鹿児島県高校野球連盟の山内昭人理事長、同県野球審判協会の藤元真一審判長、KKB鹿児島放送野球解説員の竹山徹さんの3人に語ってもらった。(司会=KKB・福田大二朗アナウンサー)
■Aブロック 神村学園、調整しやすい日程に 加治木に好投手
――Aブロックは優勝候補で第1シードの神村学園が入った。
山内 神村学園は唯一、2回戦からの登場。1回戦の勝者がぶつかってくる。気を引き締めていかないといけない。決勝まで午前9時開始の試合が続くので、調整はしやすいかもしれない。
藤元 初戦はシード校に勝つチャンスだ。過去のケースでも有力校が負けるときは初戦が多い。
竹山 第8シードの加治木も好投手がいる。走者を出しても腹をくくって粘り強く守れば、期待できるのではないか。
■Bブロック 激戦区 初戦に川内―枕崎の好カード
――Bブロックは。
藤元 意外と激戦区。シード校もうかうかしていられない。樟南が初戦で対戦する隼人工は部員数が増えて勢いがある。
山内 公立同士の対戦となる川内―枕崎は初戦ではもったいない好カード。両校とも私立にぶつかってほしい力のあるチームだ。
竹山 隼人工の3年生は1年生から試合に出ているメンバーが多くて経験豊富。鹿屋中央は投手を中心にまとまっている。
■Cブロック 初戦最大の注目カードか 鹿児島城西―れいめい
――Cブロックは。
竹山 一番は鹿児島城西―れいめい。両校とも地力があり、好ゲームが期待できる。高校野球ファンが、1回戦で一番見たい試合ではないか。
山内 対戦が決まったときは、抽選会場が「ざわざわ」とどよめいていた。
藤元 鹿児島商にも頑張ってもらいたい。2回戦でシード校の出水中央に勝てば、上位を十分に狙える。
■Dブロック 実力校そろう 甲南―鶴丸は伝統校同士の一戦
――Dブロックは。
竹山 国分中央―鹿児島は好カード。鹿児島はシードは逃したが、春の県選抜大会で神村学園と接戦を演じている。
山内 国分中央は昨秋の県大会ベスト4。シード校の鹿児島工は春の県大会準優勝で実力がある。甲南―鶴丸は伝統校同士の一戦で、卒業生が盛り上がりそう。伊集院―尚志館は、守備の伊集院と打の尚志館、対照的なチームの対戦になる。
■注目選手 県選抜でノーヒットノーランの樟南・犬窪投手ら
――注目する投手は。
藤元 県選抜大会でノーヒットノーランを達成した樟南の犬窪(いぬくぼ)晴人投手(3年)に注目したい。鹿屋中央の溝淵爽(そう)投手(3年)はスライダーがいい。頴娃の田之脇(たのわき)唯仁投手(3年)も安定している。
竹山 れいめいの伊藤大晟(たいせい)投手(3年)の速球は威力がある。
山内 出水中央の坂口楓(かえで)(3年)、竹山滉士朗(2年)の両左腕は力がある。加治木の宮路勇聖投手(3年)も四球が少なく、粘り強い。
――打者ではどうですか。
藤元 鹿児島中央の上野裕太選手(3年)は、スイングスピードが速い。
山内 長打力があるのは鹿児島工の中村武尊(ほたか)選手(3年)、神村学園の今岡拓夢選手(3年)、入来田華月選手(3年)か。鹿児島城西の坂口虎太郎選手(3年)もスイングが強い。
竹山 捕手でみると、樟南の篠原流依(るい)(3年)、鹿児島情報の浅松幸宏(3年)の両選手も楽しみ。
――今年から熱中症対策のため1日2試合になった。
山内 昨秋の県大会で試験的にやってみて、問題がなかったので今夏から導入した。運営側としても暑さ対策には気を使う。
藤元 試合時間は意識するが、暑さ対策は大切なこと。今年は特に暑いので、選手の体調にも考慮しながら試合を進めたい。
――最後に大会のみどころ、選手たちにひとこと。
竹山 体力があるチームが勝ち上がっていくと思う。しっかりと走り込んだうえで大会を迎えれば、プレーに切れも出てくるはずだ。
藤元 シード校を負かす学校が出てきてほしい。チャンスは皆平等。各校とも目標を持っていると思うので、達成できるよう頑張ってほしい。
山内 神村学園が優勝候補の筆頭だと思うが、昨年よりも他チームとの差は縮まっている。神村学園が楽に優勝できる大会になるとは想像していない。全試合が注目カードだと思う。(井潟克弘)