4日に東京・国立競技場で開幕する陸上の日本選手権は、9月にある世界選手権東京大会の選考会を兼ねている。 日本は開催国の…
4日に東京・国立競技場で開幕する陸上の日本選手権は、9月にある世界選手権東京大会の選考会を兼ねている。
日本は開催国のため、規定上、出場資格を満たす選手がいない種目にも開催国枠で1人を派遣できる。だが今回、日本陸連はその枠にも一定の基準を設けた。
山崎一彦強化委員長は、「基準に達しなければ1人も出られない種目もある」。開催国枠で出場するには、独自に設定した記録を突破するなどの条件がある。その水準は、世界選手権で予選通過が期待できるか、日本新記録に相当するタイムだ。
「賛否はあったが、チームジャパンで入賞やメダルを狙うため」と山崎委員長。背景には、2007年大阪大会の教訓があるという。開催国枠を惜しみなく使った結果、日本選手団の中でめざすレベルにばらつきが出て「統制が取れなかった」。メダルは、3位だった女子マラソンの土佐礼子のみに終わった。
陸連は今、世界大会にただ出場するのではなく、決勝に進出するなど「勝負」ができる選手を多く育てる方針だ。最大3枠ある通常の代表選考についても、ハイレベルな参加標準記録の突破を重視するよう変えた。
世界大会で入賞するほとんどの選手が、標準記録を事前に切っているというデータがあるという。男子100メートルの場合、標準記録(10秒00)を突破しているのはサニブラウン・ハキーム(東レ)だけ。サニブラウンは日本選手権で優勝しなくても、3位以内に入れば内定する。
この日本選手権でも、世界をめざす選手は、優勝するだけではなく記録に挑むことが不可欠だ。(加藤秀彬)
■サニブラウンが骨挫傷
3日の前日会見に臨んだ男子100メートルのサニブラウン・ハキーム(東レ)は、6月26日に右股関節の骨挫傷を負ったと明かした。全治3週間と診断されたが、レースには出場予定という。「プロとして、見に来てくださる方や子どもたちのために走る。できる限りの準備をして臨みたい」。4日に予選と準決勝、5日に決勝がある。