投打二刀流をふたたびスタートさせた大谷のパフォーマンスには関心が強まっている。(C)Getty Images 投打での衝…

投打二刀流をふたたびスタートさせた大谷のパフォーマンスには関心が強まっている。(C)Getty Images
投打での衝撃的なパフォーマンスによって、大谷翔平(ドジャース)は周囲の疑念を吹き飛ばし、声価をふたたび高めている。
先月16日のパドレス戦から待望の「投打二刀流」を再開させた大谷。「未知の領域」と慎重を期するドジャース上層部の計画もあり、いまだ3登板で4イニングを消化したのみながら、現地時間6月28日のロイヤルズ戦ではメジャーリーグの公式戦で自己最速となる101.7マイル(約163.7キロ)をマーク。平均球速も98.7マイル(約158.8キロ)と球速帯も故障以前の状態に戻りつつある。一方で打者としても打率.286、30本塁打、OPS1.015と相変わらずの打ちっぷりで、偉才たる所以を発揮している。
そんな華々しい活躍を目の当たりにし、一部の米識者は早くもキャリア4度目のMVP獲得を確実視する。米スポーツ専門局『FOX Sports』のアナリストを務めるベン・バーランダー氏は、自身のポッドキャスト番組「Flippin’ Bats」において今季のナショナル・リーグにおけるMVPを予測する企画を配信。大谷を堂々の1位に選出した。
トップ3を発表したバーランダー氏は、ロナルド・アクーニャJr.(ブレーブス)とピート・クロウ=アームストロング(カブス)をそれぞれ3位と2位に厳選。その上で「シーズン折り返しが迫る中で、60本塁打前後のペースを保っている。彼は打撃だけでもMVPの有力候補だ」として二刀流スターをチョイスした理由を続けている。
「打つだけでも今の彼以上の打者はリーグにはいない。そこに今年は『投手としての彼』の活躍が加わる。彼は投手枠として登録されていないから、ドジャースは別の投手をもう一人だけロースターに配置できる。つまりオオタニの投球は全てがドジャースのプラスアルファになる」
約2年ぶりに舞い戻った二刀流の特異性を伝えたバーランダー氏は、「すでにMVPの筆頭候補であり、ナショナル・リーグで最高の打者でもある彼に、『投手としての貢献』まで加わったらどうなる? それは3年連続4度目のMVPが見えてくるってことだ」と断言。そして、“アンチの声”を予測した持論を展開している。
「当然ながら『このままオオタニが毎年MVPを獲るのか』って声は出てもおかしくない。でも、僕の答えは『YES』だ。むしろ、そうあるべきだとも思う。ただし、投票疲れという問題は出てくる。それはいかなるスポーツ界でも起きてきたことだし、野球界ではマイク・トラウト(エンゼルス)がそうだった。
ただ、オオタニは他の全員よりも明らかに“上”だ。僕が思うに『彼は投手でもある』という事実が、投票疲れの議論を吹き飛ばすはずだ。打撃成績だけなら60本塁打を打っても、『またか』って言われるかもしれない。でも、彼は打率.290~.300ぐらいで、60本塁打、20盗塁ぐらいして、マウンドで防御率3点台で、奪三振の山を築いたらどうなる? 議論の余地はない。2度の手術明けで今の活躍ができているなんて頭が追い付かないよ」
大谷が見せる文字通り「規格外」の活躍をふまえ、「彼はまたもアスリートの限界の壁を壊そうとしている。単純な統計は彼には当てはまらない」と強調したバーランダー氏は、「オオタニのMVPはもう必然だ」と断言した。
果たして、この予測は的中するのか。レギュラーシーズンの戦いが激化する中で、大谷の一挙手一投足に注目だ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
【関連記事】ドジャース劇的逆転サヨナラ勝利 フリーマンが決めた!大谷翔平の二盗も光った カーショー3000奪三振の快挙を勝利で飾る
【関連記事】批判も飛んだ大谷翔平の“リハビリ登板” 対峙した敵将が漏らした本音「オオタニはこの競技にとってどんな存在なのか」
【関連記事】大谷翔平の“米殿堂入り”は「できない」 米識者が思わぬ論争を展開「勝つためにドジャースに行った。減点すべきだ」