◇国内女子◇資生堂・JAL レディスオープン 初日(3日)◇戸塚CC西C(神奈川)◇6766yd(パー72)◇晴れ(観…
◇国内女子◇資生堂・JAL レディスオープン 初日(3日)◇戸塚CC西C(神奈川)◇6766yd(パー72)◇晴れ(観衆4133人)
本音を言うと、迷信かなにかかと思っていた。2年前に習い、4カ月前にも20万円を払って勉強した、両足の感覚でグリーンの傾斜を読むエイムポイント。どれだけ理論を叩きこまれても、金田久美子はしっくりこなかった。「そんなわけないじゃんって。信じてなかった」。意思は硬い…と思えば、この日のグリーン上では顔の前で指をかざし、ばっちりエイムポイントの姿勢を取っている! いったい何があったのか。
きっかけは4週前「ヨネックスレディス」でのこと。初日のパット数は「33」で、2オーバー80位とさんざんな出だしだった。「あまりにもパットが入らなかったから、なんかやらなきゃ」と苦肉の策としてエイムポイントを始めた。2日目のパット数は「28」で、通算2アンダー34位に急浮上した。「まあ、たまたまでしょ」と思いながら、続けてみることにした。
にわかには信じがたいが、これが案外悪くない。「意外と。やっていないよりはやった方が入る。なんか、いいっぽい」と感触は良い。この日のパット数は「26」。パー4の後半17番ではイーグルも飛び出し、「68」の4アンダー3位発進を決めた。今季初のアンダーパー発進には「上出来です」と満足げだ。
最近は「何か変えてみよう、やってみよう」がマイブームだったりする。金髪を茶髪にしてみたり、ヨガを始めてみたり、気持ちが沈んだときには本を読んでみたりと取り組みはさまざま。下半身が中心だったトレーニングも、最近は上半身も取り入れるようになった。
自分を“変身”させるなかで、ゴルフに対する心境にも変化があった。「小さいころからやりすぎて、ゴルフは仕事と思っていた。最近、興味が出てきた」。以前は聞くだけで頭が痛くなった理論にも、自然と耳を傾けるようになったという。「昔ほどゴルフの時間が苦じゃない」と話した。
2022年「樋口久子 三菱電機レディスゴルフトーナメント」でツアー史上最長ブランクとなる11年189日ぶりの2勝目を挙げてから、3年が経つ。今季はここまで10試合に出場し、予選落ちが6回。「最近ずっと悪かったので、今日がたまたまじゃないように。自信を戻せるゴルフを4日間したい」。身も心も変化した。きっと、ゴルフも変わる。(横浜市旭区/合田拓斗)