マイナーで実戦復帰を果たした吉田。(C)Getty Images 日本人スラッガーが復活への第一歩を歩み出した。 レッド…

マイナーで実戦復帰を果たした吉田。(C)Getty Images
日本人スラッガーが復活への第一歩を歩み出した。
レッドソックス傘下3Aウースターに所属する吉田正尚は、現地時間7月2日のシラキュースとのダブルヘッダー第1試合で「2番・指名打者」で先発出場。右肩手術による長期離脱を余儀なくされていた31歳は、ようやく今季初実戦の場に立った。
【動画】高校時代以来の一塁守備? 軽快にこなした吉田正尚の練習シーン
結果は芳しくはなかった。1回1死走者なしの第1打席は捕手が処理するゴロ、3回2死走者なしの第2打席は四球、6回1死走者なしの第3打席は空振り三振で、2打数無安打。それでも昨年10月に右肩を手術して以来、淡々とリハビリを続けてきた吉田にとっては大きな前進と言える一戦となった。
長く実戦から離れていたせいか、身体の開きが早くなる場面が目立った吉田。それは地元スポーツ専門局『NESN』の実況が「生きた投球を最近までほとんど見ていなかった影響だろう。長期離脱後に一番難しいのは、自分のタイミングを取り戻すこと」と指摘した通り、今後の彼の課題となりそうだ。
もっとも、すでにキャッチボールも再開している吉田は、翌7月3日(現地時間)の同カードは本職の左翼を守る予定となっており、順調にステップを踏んでいる。メジャー昇格に向けた準備は着々と進んでいると言っていい。
そうした中で、このシラキュース戦では吉田の“ある練習”がクローズアップされた。それはファーストミットを片手に一塁守備の練習をこなすというものだった。
吉田が一塁を守るのは、メジャーはもちろんオリックス時代もゼロで、高校時代にまでさかのぼる必要がある。そのため、練習ではあったものの、“衝撃的なコンバート”の可能性があるのかと一部で注目を集めた。
実際、レッドソックスは一塁の穴埋めが急務となっている。開幕からレギュラーだった若き主砲のトリストン・カサスが左膝の膝蓋腱断裂を追って5月から長期離脱。さらにカサス離脱後に一塁を任せようとしたラファエル・デバースが起用法を巡って対立し、ジャイアンツとのトレードで電撃退団していた。
そうした背景を考えれば、吉田に一塁手を任せようというのは、必ずしも「完全にありえないアイデア」とは言い切れない。
ただ、球団首脳陣の間で一塁手への完全コンバートのプランは現時点で具体化はしていないという。「球団の考えを知る関係者」による情報を伝えた地元ニュースサイト『Mass Live』は「レッドソックスはヨシダのリハビリ期間中、時間がある限り一塁で『軽い練習』をさせる計画だが、基本的には指名打者と外野の練習を優先する。現時点でマイナーリーグでも一塁手として試合に出場する可能性は低い」と断言。さらにアレックス・コーラ監督の見立ても伝えている。
「マサが一塁手で先発することを今は考えていない。マイナーで練習したのは、ただゴロを捕っているだけだ。緊急事態に備えて、慣れているだけとも言えるね。彼はしばらく前からそれをやっている。我々が2週間前ぐらいから彼にそれをやるように頼んだのだが、彼はすぐに『ああ、やるよ』と言ってくれて、5分後には一塁手用のミットを注文し、ゴロを捕り始めていた」
あくまで“有事”に備えてのものだと言う吉田の一塁守備練習。メジャー昇格に向けた段階が進んでいく中で、実戦の場でお披露目される可能性は低そうだ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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