◇国内女子◇アース・モンダミンカップ◇カメリアヒルズCC(千葉)◇6688yd(パー72)◇晴れ(観客2521人)8万…

進化

◇国内女子◇アース・モンダミンカップ◇カメリアヒルズCC(千葉)◇6688yd(パー72)◇晴れ(観客2521人)

8万分の1。史上最高額のホールインワン賞が達成された先週の女子ツアー。年間のパー3の総打数におけるエースの達成確率と言いたいところだが、この数字は時間の話。正確に表すなら「8万分の1秒」である。

写真を撮り始めた頃、ミラーレスカメラはおろか、デジタルカメラさえ触ったことはなかった。やがて写真の仕事をするようになるのだが、フィルムカメラの場合、当然だが撮影した写真をその場ですぐに確認することはできなかった。一枚一枚慎重に撮影したフィルムを抱えて現像所に行き、そこで初めて、写っていることを確認して胸をなで下ろした。それから20数年、カメラは進化に進化を重ねた。撮影した写真は数秒後には世界に発信され、1秒間に撮れる枚数は120枚になり、シャッタースピードは「8万分の1秒」までやってきた。そしてメモリーカードさえあればほぼ無限に写真を撮ることができる。

カメラと同様に進化を続ける人類。ゴルファーは弾道計測機を使って自分の放つボールの細かなデータを読み解き、用具開発者は科学のチカラでクラブやボールを毎年のように進化させてきた。ティショットが400yd飛ぶ時代はすぐそこまで来ている。そんな中、果たして僕たちフォトグラファーは進化しているのだろうか。

先週撮影したおよそ3万枚の中から選んだ1枚は、ジャストインパクト後の写真。撮りたかったのはクラブとボールが当たる刹那の世界。しかし撮れなかった。最先端の武器を与えられた以上、もはや言い訳はできない。4日間自然や己と戦う彼女たちを撮り続けた中の「3万分の1枚」は、自分の未熟さとまだまだ進化の余地があることを忘れないための写真にした。(フォトグラファー・今井暖)