第107回全国高校野球選手権大分大会が6日、開幕する。5連覇をめざす明豊や選抜大会に出場した柳ケ浦の第1シード勢に、昨…

 第107回全国高校野球選手権大分大会が6日、開幕する。5連覇をめざす明豊や選抜大会に出場した柳ケ浦の第1シード勢に、昨秋からの公式戦で好成績を残した大分商、大分舞鶴など各校が甲子園出場を狙う。大会の見どころなどを元新日鉄大分野球部監督の一円敏彦さん(78)、九州高野連顧問の大津裕也さん(66)、県高野連理事長の塚崎一孝さん(59)に聞いた。(聞き手・大村久)

 ――今大会の特徴は

 一円 速球派投手は少ないが、技巧派の左投手が多い。力で抑える投手が少ないので見ている側からは楽しい大会になりそう。

 大津 明豊が5年連続で制覇するかどうか。今春、選抜に出場した柳ケ浦が成長したところを発揮してくるか、というのが一つポイントになる。

 塚崎 対戦カードを見ると、1、2回戦の組み合わせは力の似通ったチーム同士の対戦となっている。一方的な試合が少なくなり、おもしろいと思う。

 ――各ブロックの分析。第1シード柳ケ浦が入ったブロックは

 一円 一番の激戦区ではないか。今春の選抜を経験した柳ケ浦の投手力が最終的には抜けてくるのではないか。

 大津 どんなに強いチームでも初戦は嫌なもの。津久見と竹田の勝者と初戦を戦う柳ケ浦の戦い方に注目したい。

 塚崎 シード校の柳ケ浦と藤蔭が中心か。2チームは公式戦で1点差の接戦をしていて、力が拮抗(きっこう)している。

 ――第2シード大分舞鶴が入ったブロックは

 一円 データ的な数字を見てもチーム力に大きな差がない。絶対とは言えないが、シード校が有利に見える。

 大津 県立高校が多く入った。圧倒的にシード校が有利だと思う。勝って勢いをつけてほしい。

 塚崎 やはりシード校が絶対的に有利だと思う。逆に勝ち上がっていかないといけないぐらい。

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 ――第1シード明豊が入ったブロックは

 一円 明豊は相手校の対策をしっかりとやっているだろう。中津東や佐伯豊南の投手がいいと聞いている。

 大津 1回戦の杵築と中津東はいい勝負になる。勝ち上がったチームを明豊がいかに迎えるのかが見どころ。

 塚崎 どのカードも同じような力を持ったチーム同士の対戦でおもしろい試合が期待できる。

 ――第2シード大分商が入ったブロックは

 一円 波乱の要素があるパートだと思う。大分商は昨秋からみるとチーム力が上がっている。

 大津 大分商の初戦はつらいかもしれない。鶴崎工はノーシードだが夏の戦い方を知っている。

 塚崎 混戦予想ではあるが、大分商が一歩抜けているように見える。

 ――球児たちに送るメッセージを

 一円 最後の夏、力を発揮できずに涙を流すことはやってもらいたくない。悔いのない試合をしてほしい。

 大津 異常な暑さの中、心と体を調整して健康管理に留意し、最高のパフォーマンスを発揮してもらいたい。

 塚崎 夏の選手権は地方で始まる大会がそれぞれの初戦で、最後が甲子園の優勝になる。試合を甲子園でやらないだけであって、同じような位置付けで参加しているというプライドを持ってほしい。

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 いちえん・としひこ 大分高や新日鉄大分の監督を歴任。2009年から大分朝日放送(OAB)で、夏の大分大会の解説を担当。

 おおつ・やすなり 選手時代は津久見で甲子園出場。大分鶴崎や日田の監督を歴任。2002年から7年間県高野連理事長。

 つかざき・かずたか 2021年から理事長。大学卒業後、保健体育教諭となり、現在は大分豊府で勤務。県教委での勤務経験もある。