レッドブルで厳しい立場に立たされている角田。(C)Getty Images 現地時間6月29日、F1オーストリア・グラン…

レッドブルで厳しい立場に立たされている角田。(C)Getty Images

 現地時間6月29日、F1オーストリア・グランプリ(GP)決勝が行われ、レッドブルの角田裕毅は最後尾の18番手からスタート。怒涛の挽回が期待されたが、レース中に痛恨の10秒ペナルティを受けるなど全く見せ場を作れず、完走したマシンのうちで最下位となる16位に終わった。

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 今GPまで8戦で4ポイントと成績不振に陥った角田は、サマーブレイク期間中の電撃交代も取りざたされ、今回は上位進出が厳命されていた。そうした緊張状況で迎えた決勝では、アルピーヌのフランコ・コラピントと接触してペナルティを受けるなど4戦連続で入賞を逃す惨敗。予選1回目(Q1)敗退に終わった前日の公式予選から続く低調ぶりは、正念場という彼の立場においては、まさしく大失態と言えよう。

 無論、角田にとって想定外の問題は幾度も起きている。操作困難とされるマシン『RB21』への適応が想像以上に時間を要したこと、さらにエースドライバーであるマックス・フェルスタッペンが優遇されるチーム事情。そうしたレース外の「課題」に向き合う必要性が出たのは、本人にとってみれば、“誤算”だったのかもしれない。

 しかし、レッドブルは常勝軍団。成績不振が続けば、風向きが変わるのも早い。一部のメディアでは更迭論が浮上し、今夏中の電撃解雇の動きが加速しているとも報じられている。米メディア『Al Bat』は、オーストリアGPでの無残な結果を受け、「ユウキ・ツノダにとって今週末は忘れられないものになった。彼を取り巻く事態は悪化している」と指摘。その上で「ツノダのパフォーマンスは、レッドブルが行動を起こすべき時が来たとする議論を白熱させている。一部ではセルジオ・ぺレスの復帰を望む声も強まっているほどだ」と伝えた。

 一方で先の見えない不振の原因が角田自身ではなく、フェルスタッペン仕様に開発されてきたマシンにあると断じる声もある。

 米モータースポーツ専門サイト『F1 Oversteer』は、「我々のクルマは、長年にわたって積み重ねてきた開発の流れの中で進化してきたものだ。確かに、簡単に乗れるマシンではない。だが、そこまで難しいというわけでもない」と語ったクリスティアン・ホーナー代表のコメントを引用した上で、「ツノダが問題ではないことは明らかだ。もはやクルマのせいにするしかない。前のチームでの彼は魔法のような活躍を見せていたのだから」と嘆いている。

 果たして、このまま角田は沈んで行ってしまうのか。文字通りの崖っぷちに立たされた25歳の挽回が見たいが……。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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