額を突き合わせ、まるで雄鹿の決闘のようなフェイスオフから始まったOFGでの壮絶な殴り合いは3ラウンド、劇的なKO決着に…

 額を突き合わせ、まるで雄鹿の決闘のようなフェイスオフから始まったOFGでの壮絶な殴り合いは3ラウンド、劇的なKO決着に会場が騒然となった。一方、試合の流れを決定づけた“大の字ダウン”で勝者が見せた挑発行為に対しては「輩感がスゴイw」「さすがにそれは…」など困惑の声も寄せられた。

【映像】“大の字”ダウンの相手に「まさかの行動」

 6月27日、後楽園ホールで開催された「Krush.177」。K-1グループで初めて導入されたオープンフィンガーグローブ(OFG)ルールの下、東本央貴(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)と龍(WORLD TREE GYM)が対戦。試合前から両者の間には火花が散り、試合中もアクシデントが相次ぐ、まさに激闘となった。

 禁断のOFG戦がKrush初登場。オープニングは38戦の戦績を持つ中堅・東本と、K-1アマチュアで優勝経験もある関西の龍。血気盛んな両者の対決だ。試合前のフェイスオフでは額を突き合わせてまるで野生動物のような前代未聞の威嚇も見られ、ピリつく空気に「すごいイキリあい」「チューしそうな距離w」「オラつくな」などファンが盛り上がる。仕掛け人であるKrushの宮田充プロデューサーが「グローブタッチがどうなるかと思ったら、おでこタッチが激しいですね」と苦笑いするなか、試合開始。

1ラウンドから龍が激しいパンチを振るい、対する東本もフルスイングで応戦。互いに頭から飛び込むような勢いで打撃を振るうと、龍のバッティングを受けた流れで東本が体勢を崩し、前のめりにロープにもたれかかる。そこに龍の拳が後頭部付近をかすめ、会場をざわついた。

 緊張感のある試合はその後もOFGグローブでのパンチに自信を見せる龍が顔面をコンパクトに捉え、ボディショットでも東本の体力を削っていく。被弾数は多いが後半、東本が龍をぐらつかせる場面もあり、一進一退の攻防で最初のラウンドを終えた。

 2ラウンドも前に出たのは龍。OFGルールに手応えを感じたのか、積極的に拳を振るう。東本もローキックやジャブ、膝蹴りと多彩な技で応戦するが、コーナーで串刺し状態となり、龍のパンチ連打で額をカット。それでも東本は至近距離で気迫あふれる戦いを続けた。

 そんななか、ラウンド残り30秒、好勝負に水を差すアクシデントが発生。東本のヒザがカウンター気味に龍の下腹部を捉え、龍は大悶絶。ローブローの痛みにマウスピースを吐き出し、マットを殴りながら痛みに耐える龍だが、復帰後にはダメージを感じさせない連打で攻勢に転じ、東本をコーナーに追い詰めた。

 最終3ラウンド、壮絶な打撃戦でも龍の勢いは止まらない。さらに前進し、ガードの隙間を縫うように顔面へジャブを重ね、東本は突破口を見出せずに防戦一方。龍のコンパクトなパンチが頭をとらえ、脳が揺れるとテンプルに強烈な左フック。間髪入れず右ストレートを顔面に叩き込むと、東本は大の字にダウン。そんな顔面流血で大の字の東本に対して、龍は腰を屈めて両手を広げると、煽りのポーズ。これにファンも「輩感がスゴイw」「さすがにそれは…」と反応。ニヤリと笑顔を浮かべて復帰した東本だが、ガードする余力は残されておらず、龍のさらなるパンチの連打でマットに沈んだ。

 OFGルール初戦を鮮烈なKOで締めくくった龍は、試合後「東本君、気合入りすぎやわ」と相手を称えつつ、「俺、強よーい。スーパーライト級のタイトルマッチ組んでください。まじ勝てると思ってるから、以上!」と力強いマイクを披露。2カ月連続で圧倒的なKO劇を演じた龍は、胸を張ってタイトル戦線に名乗りを上げた。

 そんな龍の様子に「龍のオラオラ感好き」「いいキャラしてる」「OFG適性が高い」といった声。散々煽ったにもかかわらず、あっさりマイクに「マイクは短いんだなw」といったツッコミも聞かれた。