■清宮が中心となる今年のドラフト

 今年のドラフトは、間違いなく清宮幸太郎(早稲田実)を中心に回るだろう。ライトに引っ張った豪快なアーチだけではなく、レフト方向へも高い放物線を描く。そのパワーと技術を兼備したバッティングは、まさに超高校級。U-18ベースボールワールドカップで2ホーマーを放ち、歴代最多とされる高校通算111本塁打の金字塔を打ち立てた。1年時から脚光を浴び続けた次世代のスター候補に対し、果たして何球団が指名するのか。並外れた能力を誇るスラッガーの動向に注目だ。

■清宮と並び称される2人

 清宮と同様、1位指名有力とされるのが中村奨成(広陵)と安田尚憲(履正社)の2人だ。中村は3年の選手権で一大会最多記録を更新する6ホーマーを放った。甲子園をどよめかせた鉄砲肩や俊敏なフットワークも持ち合わせており、走攻守そろった万能捕手として高い評価を得ている。
 安田は、清宮のライバルと並び称された左の大砲。188センチ、95キロの恵まれた体格から放つ打球は強烈で、高校通算65発を放った。逆方向にも強い当たりを連発するなど成長を見せ、3年夏の大阪府大会では打率.632、3本塁打の好成績をマーク。努力を重ねられる強さも持っており、まだまだ伸びる選手だ。

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■侍ジャパンU-18代表の面々

 今年の高校生を語るにあたって、U-18ベースボールワールドカップで日の丸を背負った有望選手たちを取り上げないわけにはいかない。投手では同大会で主にリリーフを務めた田浦文丸(秀岳館)、清水達也(花咲徳栄)の2人が注目株。サウスポーの田浦は、速球と同じ腕の振りから投げ込むチェンジアップで相手打者を手玉に取る。3年夏に全国制覇を成し遂げた清水は、重い直球に落差の大きいフォークも織り交ぜ、世界の強打者を苦しめた。
 その他では、二刀流・櫻井周斗(日大三)が投打ともに高い評価を得ている。U-18ベースボールワールドカップでは打撃が目立ったが、投手としても2年秋の東京都大会決勝で清宮から5打席連続三振を奪うなど、一級品のスライダーを持つ好左腕だ。
 国際大会では不本意な結果に終わったものの、野手にも豊富な人材が揃う。増田珠(横浜)は、3年夏の神奈川県大会で歴代最多タイの5ホーマーを放ったパンチ力が魅力の外野手。西巻賢二(仙台育英)は168センチと小柄ながら、俊敏な動きと巧みなグラブさばきで鉄壁の内野守備を誇る。伊藤康祐(中京大中京)は高い身体能力を有する外野手で、3年の選手権ではバックスクリーンに一発を放り込んだ。

■甲子園を沸かせた選手たち

 甲子園を沸かせた選手の中で、侍ジャパンU-18代表に選出されなかったドラフト候補も多くそろっている。金久保優斗(東海大市原望洋)はコースに投げ分ける制球力が武器の本格派。3年のセンバツでは、延長14回を1人で投げきる熱投を演じた。山口翔(熊本工)は甲子園の舞台でこそ苦しんだものの、本来はスリークオーター気味のフォームから最速152キロの速球を投げ込む剛腕だ。
 その他にも、整った投球フォームから美しい球筋の直球を投げ込む阪口皓亮(北海)や、140キロ前後の直球を武器に3年の選手権で完封勝利を挙げた左腕の長谷川拓帆(仙台育英)も注目されている。
 一方、野手では「1年生・4番」として甲子園に出場した経験を持つ大型捕手・村上宗隆(九州学院)の評判が高い。高校通算52発を放った強打は「肥後のベーブ・ルース」の異名にふさわしく、上位指名も十分に考えられる逸材だ。その他にも、3年の選手権でチームトップタイの10打点をマークし、全国制覇に大きく貢献した西川愛也(花咲徳栄)や、2年の選手権で満塁アーチを放った西浦颯大(明徳義塾)ら左打ち外野手も有力候補だ。

■甲子園経験のない全国の原石たち

 聖地とは無縁だった選手の中にも、才能を秘めた者は数多くいる。中でも、肩回りの柔らかさを感じさせる投球フォームから最速151キロの直球を投じる石川翔(青藍泰斗)の注目度がとりわけ高い。変化球も多彩で、今ドラフト全体を見渡しても注目右腕の1人だ。
 他にも最速152キロの力強い剛速球を投げ込む牧丈一郎(啓新)や成長著しい神奈川No.1右腕の本田仁海(星槎国際湘南)、九州屈指の快速投手との呼び声が高い田中瑛斗(柳ケ浦)、潜在能力への評価が高い山上信吾(常磐)など、将来性抜群の好右腕が指名を待ちわびる。
 野手では、スケールの大きい打撃で通算48本のアーチを放った園部佳太(いわき光洋)も指名候補に入るだろう。

※データは全て2017年10月17日終了時点