(29日、第107回全国高校野球選手権愛知大会1回戦 名城大付7―0同朋=7回コールド) 「両親へ感謝を伝えたい」。同…

 (29日、第107回全国高校野球選手権愛知大会1回戦 名城大付7―0同朋=7回コールド)

 「両親へ感謝を伝えたい」。同朋のエース加藤竜稀投手(3年)は、そんな思いを抱えながらマウンドに立っていた。

 相手の名城大付は昨秋の県大会4強の強敵だ。接戦に持ち込んで勝機を作ろうと、内外角への丁寧な制球を意識した。だが、相手打線の2巡目で対応され、打ち込まれて四回までに7点を失った。

 それでも、五回からは立ち直った。「技術より気持ちで投げた」と2回を無失点。味方の反撃を待ったが、七回コールド負けを喫した。

 しばらく野球ができない時期があった。1年の終わりごろ突然、下半身の関節炎を発症した。はじめは1週間ほどで治ると伝えられていたが、痛みはどんどん増し、車いす生活になった。

 支えてくれたのは両親だった。母の愛さん(50)は仕事を1カ月休み、つきっきりで介助してくれた。夜中は父の永泰さん(42)がその役目を担った。約3カ月の療養の末、完治することができた。

 その両親がスタンドで見守る中、最後まで生き生きと投げ続けた。「抑えて九回まで投げたかったけど、今までやってきたことは出しきれた」

 愛さんも目を細めた。「普通の生活を送ってくれるだけでもうれしいのに、ここまで投げきってくれるなんて。ナイスピッチング!」(松本敏博)