■清宮か、清宮以外か

 今年のドラフトにおける最大の目玉は、清宮幸太郎(早稲田実)だろう。歴代最多となる高校通算111本塁打を誇るスラッガーは、実力のみならず人気面でも超高校級で、各球団ともに喉から手が出るほど獲得したい逸材だ。その大砲に、果たして何球団が競合するのか。反対に、競合を避けて他の有力選手の「一本釣り」を狙うのか。例年以上に各球団の戦略が色濃く表れるだろう。各球団の補強ポイントやチーム方針に触れつつ、1位指名候補を挙げていく。
 前述の清宮を巡っては、少なくとも5球団程度の競合は避けられないだろう。若手の実力者不足が叫ばれて久しい巨人。早稲田実高OBで清宮本人も憧れを口にしている王貞治が取締役会長兼GMを務めるソフトバンク。また、すでに1位指名を示唆している阪神とヤクルトや、「その年でNo.1の選手を指名する」という方針を貫く日本ハムも1位指名を狙うものと想定されるからだ。

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 また、同じく高卒野手でも、中村奨成(広陵)や安田尚憲(履正社)が1位で指名される可能性もある。中村は強肩強打の捕手で、次世代の正捕手育成が急務の中日や地元・広島が獲得を検討しているようだ。安田は逆方向にも強い打球を放つスラッガーで、ライバル球団が清宮に向かう中、毎年のように有力候補を単独指名してきた西武が狙うにはうってつけの存在だろう。

■投手のドラフト上位候補たち

 投手では、左腕の田嶋大樹(JR東日本)に注目だ。最速152キロの直球と変化球のコンビネーションを武器に、先日行われた社会人日本代表のBFAアジア選手権では快投を見せ、大会制覇に貢献している。投手陣に左腕が少ないロッテやオリックスの指名リストに名を連ねているようだ。
 他にも社会人では、最速157キロを誇る鈴木博志(ヤマハ)を筆頭に、鈴木康平(日立製作所)、西村天裕(NTT東日本)など馬力のある右腕が多くおり、1位に名を告げられても何ら不思議ではない。
 また大学生投手では、東克樹(立命館大)が高い評価を得ている。制球力の高さと緩急の使い分けで勝負する左腕で、大学日本代表として臨んだ日米大学野球で最優秀投手に選出された。
 それに次ぐのが、右腕の馬場皐輔(仙台大)や近藤弘樹(岡山商科大)、鍬原拓也(中央大)の面々で、どの投手も安定感が魅力。また、左腕でも齋藤大将(明治大)は完成度が高い。これらの大卒投手は、ルーキーイヤーから一軍での活躍が想像に難くない存在だ。
 また、潜在能力が高く評価されている高校生投手の石川翔(青藍泰斗)も、育成に力のある球団が指名を狙っているだろう。

■競合抽選に敗れた場合は

 そして競合の末の抽選に敗れた場合、2度目以降の1位指名に誰を告げるのかも大きなポイントとなる。大学4年になってから評価を上げた宮本丈(奈良学園大)と岩見雅紀(慶応大)の大学生野手や、高校生の外野手・増田珠(横浜)などが、チーム方針と合致すればこのタイミングで指名されてもおかしくない。特にヤクルトやロッテなど、攻守の軸となれる存在を求める球団は、野手陣の補強にも着手したいところだろう。

 知略の限りを尽くした情報戦を制し、1年後にほほ笑むのは果たしてどの球団になるのか。10月26日に行われるドラフト会議で、すべての運命が決する。

※データはすべて2017年10月17日終了時点