陸上の世界選手権東京大会(9月13日開幕)のマラソン日本代表4人が29日、函館マラソンのハーフの部に出場した。男子の吉…
陸上の世界選手権東京大会(9月13日開幕)のマラソン日本代表4人が29日、函館マラソンのハーフの部に出場した。男子の吉田祐也(GMOインターネットグループ)、近藤亮太(三菱重工)、小山直城(ホンダ)と女子の小林香菜(大塚製薬)が、本番でカギを握る暑熱対策を試した。
世界選手権のマラソンは女子が9月14日、男子が同15日、ともに午前8時のスタート。この日のスタート時(午前9時)の気温は21・5度と高くなかったものの、4人は汗を採取するガーゼ、脈拍などを測定する器具をつけて走った。
1時間1分23秒で男子2位の吉田は高温の本番を想定し、レース前に体の深部を冷やして臨んだ。「そのため、スタート直後で動きが悪かったが、内容的にはいいレース」
近藤や小山は冷感素材のキャップや水にぬらすと気化熱で冷えるアームスリーブを着用して走った。近藤は「本番で使用するために着け心地を確認した。暑さに対してネガティブな気持ちになることなく今後取り組みたい」。
小林は「データからはそこまで暑さに弱くないということですが、やはり暑いと気持ちが切れてしまいます。今後の練習で暑さに慣れていきたい」と話す。
日本陸連の科学委員会は今後、汗の成分を分析し、どんな物質が汗とともに失われる傾向があるかなどのデータを、選手個別にフィードバックする。選手は失われやすい成分をサプリメントや飲料で補充する。こうした取り組みは10年以上前から始まっており、データの蓄積と、個々に応じた対策が進んでいる。
近藤は1時間3分25秒で19位、小山が1時間6分16秒で62位(速報値)、小林が1時間11分37秒で女子の5位だった。(堀川貴弘)