◇国内女子◇アース・モンダミンカップ 最終日(29日)◇カメリアヒルズCC(千葉)◇6688yd(パー72)◇晴れ(観…
◇国内女子◇アース・モンダミンカップ 最終日(29日)◇カメリアヒルズCC(千葉)◇6688yd(パー72)◇晴れ(観客2521人)
「あー、良かった」と佐久間朱莉は下りのウィニングパットを入れると、胸に手を当ててフッと笑った。1打リードを持って迎えた最終18番(パー5)、奥から打った長いバーディパットは「意外と何も考えていなくて」と淡々と打って1mに寄せた。昨年はグリーン上でチャンスをつかめなかったが、パッティングが進化した今年は初優勝から3カ月で3勝目を挙げた。
ショットメーカーと言われた昨年はパーオン率5位(74.02%)、トータルドライビング2位、ボールストライキング1位とショットのスタッツが軒並み上位。足りない点を挙げるとしたらパッティングで、今季を前にとことん強化した。オフシーズンに取り組んだのは、まず腹筋と体幹の強化。「頭を動かさないっていう意識じゃなくて、腹筋に力を入れるように」とトレーニングを行ったことで左右のブレが減ったという。
加えて、フェースが“左を向いた状態から右に押し出す”クセを修正。橋本真和コーチの指導もと、今は朝の練習でまずアドレスをチェック。そこから「リズムを統一するために、シャフトにメトロノームのように動く器具をつけたり、マットを敷いてストローク確認をしたり」と様々な練習を行う。今週は目線のズレをなくすため、グリーン上にロープを引いて練習した。「前までは、ただカップに入るまで終わらない…という練習方法が多かったけど、今は内容がすごく濃くなった」。成果は数字にも表れ、1ラウンドあたりの平均パット数は昨年32位(29.4775回)から3位(28.4694回)へと改善した。
今週も優勝争いのプレッシャーの中、3番で15m、11番で10mと長い距離のバーディパットを決めた。最終ホールも「シビア」なラインのパーパットを沈めて、逃げ切った。4バーディ、2ボギーの「70」で通算11アンダー。4月「KKT杯バンテリンレディス」での初優勝、5月「ブリヂストンレディス」に続く3勝目を喜んだ。
5400万円の優勝賞金を得て、今季の獲得額は1億1602万円に。すでに昨シーズンの獲得賞金を1000万円近く超えた。「これを勝てば、去年を超えるのは分かっていた。去年の成績を超えたいというのがあった」と笑う。今年は年間女王の座に就くためにも、シーズン5勝を目標に掲げている。「もっと、稼ぎたいです」。強気の笑顔にスキはない。(千葉県袖ケ浦市/谷口愛純)