敵地での今季初登板を果たした大谷。(C)Getty Images 衝撃の3球だった。 現地時間6月28日、ドジャースの大…

敵地での今季初登板を果たした大谷。(C)Getty Images

 衝撃の3球だった。

 現地時間6月28日、ドジャースの大谷翔平が敵地でのロイヤルズ戦に「1番・DH兼投手」で先発登板。初回のマウンドでいきなりメジャーリーグの公式戦で自己最速となる101.7マイル(約163.7キロ)をマークするなど、2回(27球)を投げて、被安打1、1奪三振、与四球1、無失点の好投を見せた。

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 今回が復帰から3度目の登板となった大谷は、過去2登板とは異なり、敵地であったために、試合開始5分前までブルペンで投球練習を実施。プレーボール直前の約2分間で打席への準備を整えて1打席目に立ってから、ほとんど息つく暇もなくマウンドに上がった。

 そうして迎えた初回。大谷は明らかにギアが入っていた。とりわけ圧巻だったのは、左前打と四球で1死一、二塁のピンチを招いた局面だった。ロイヤルズの4番ビニー・パスカンティーノと対峙した背番号17は、まず内角低めに99.2マイル(約159.6キロ)の4シームを投げてストライクを取ると、2球目は100.2マイル(約161.2キロ)の4シームをズドンッ。これであっという間に追い込むと、最後はメジャー公式戦での自己最速となる101.7マイル(約163.7キロ)の4シームを打たせ、二塁への併殺打に打ち取った。

 最高の形で難を逃れた投球もさることながら、リハビリ期間中に3球連続で100マイル前後の速球を投げ込んだのは、「投手・大谷」の復活を感じさせる。試合後に地元スポーツ専門局『Sports Net LA』のインタビューに応じた本人も「ライブBPで多分投げ続けていたら投げられてはなかったのかなとは思うので、そういう意味では実戦で早めに短いイニングでしたけど、投げることによってそういう球速帯に慣れていくというのはいいことじゃないかなと思う」と手応えを口にした。

 実際、本人が何かと気にかけていた4シームの球速とキレは着実に伸びている。この日の平均球速は98.8マイル(約159キロ)で、今月16日に約2年ぶりの実戦登板を果たしたパドレス戦から0.2キロもアップ。さらにスピンレートは、初登板から2271、2392、2487と向上。空振りを取るケースも目立ち始めている。

 無論、まだまだ投手としては回復の途上。それでもこの日はイニング数も2に伸ばし、進歩を見せた。「投げ方も含めてまだまだ改善の余地はある」と言いながら登板毎にクオリティを高める「投手・大谷」が先発として完全復活を遂げる日は着実に迫っている。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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