ヤクルト打線を見事に封じ切ったデュプランティエ。(C)産経新聞社 真夏の到来を予感させた猛暑の神宮で、虎のドクターKはタ…

ヤクルト打線を見事に封じ切ったデュプランティエ。(C)産経新聞社
真夏の到来を予感させた猛暑の神宮で、虎のドクターKはタフに投げ抜いた。
6月28日に神宮球場で行われたヤクルト戦に阪神のジョン・デュプランティエが先発登板。この日はマウンド上の気温が40度を超える楽ではないコンディションだったが、7回(102球)投げ、被安打3、無失点、7奪三振の快投。シーズン4勝目を飾った。
【動画】際立つ糸を引くストレート! 「虎のドクターK」デュプランティエの奪三振シーン
この日も自らが「配球の天才」と認める“女房役”の坂本誠志郎の巧みなサポートに支えられながら、相手打線を翻弄した。初回に1死二塁のピンチを背負ったデュプランティエだったが、危なげなく後続を抑える。これでリズムに乗った右腕は、2回以降は得点圏への出塁を許さずに圧倒。4シーム、スライダー、カーブ、チェンジアップを駆使した上で、奥行きで駆け引きをする投球術で見事に“完封”した。
今季11先発で4勝を挙げる助っ人は、防御率1.49、WHIP0.81のハイアベレージを維持しているのだが、特筆すべきは「奪三振力」。28日の試合終了時点で、奪三振率(11.61)、FIP(1.46)、K-BB%(7.17)はNPB全体トップの数字を残している。
とりわけK-BB%の割合の高さは圧巻。同指標は1打席あたりで四球に比べて奪三振のパーセンテージがどれだけ多いかを表すものなのだが、通常は3.5以上で「優秀」と言われる。しかし、今季ここまでのデュプランティエは、なんと「7.17」。近年のNPBでは、2023年に日本で“無双”した佐々木朗希(現ドジャース)のそれ(7.94)に迫る値を叩き出している。
今月5日の日本ハム戦で試合解説を務めた元阪神指揮官の岡田彰布氏が「長い腕が遅れて出てくる。あのナックルカーブは右(打者)は打てない。左でもハーフスイングになる。横じゃなく縦(に来る)。直球も腕が遅れるから伸びがある。(打者は)差し込まれる」と称えたデュプランティエ。その快投は、継続性をもって、NPBを席巻している。
ここから猛暑の中での戦いが続くが、デュプランティエの勢いはどこまで続くだろうか。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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