現役時代には中日でもプレーし、国内外で人気を博したイ・ジョンボム氏。(C)Getty Images 日本球界にも馴染みの…

現役時代には中日でもプレーし、国内外で人気を博したイ・ジョンボム氏。(C)Getty Images
日本球界にも馴染みのあるレジェンドの“決断”が波紋を呼んでいる。
物議を醸しているのは、元中日の助っ人でもあったイ・ジョンボム氏の去就騒動だ。MLBのジャイアンツに所属するイ・ジョンフの父でもあるレジェンドは、現地時間6月27日にKBO(韓国プロ野球)リーグの強豪KTの一軍打撃コーチを辞任。プロOBたちがチームを作り、高校生や大学生をはじめとするアマチュアチームと対戦する人気バラエティ番組「最強! 野球団」の監督に就任したのである。
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星野仙一監督が指揮した中日で「風の子」と呼ばれ人気を博したイ・ジョンボム氏が、KTのコーチ職に就いたのは昨年10月。当時は外野守備走塁コーチだったのだが、指導力を評価され、今年5月に一軍の打撃コーチに配置転換されていた。しかし、そこからわずか1か月足らずで電撃的な退団が決まったのである。
KBOのドラフト候補となる逸材と元プロとのガチンコ勝負が人気を博する「最強! 野球団」は、国内外でコアな人気を集める番組ではある。しかし、シーズン中にテレビ番組出演のために退団する無責任さに、韓国国内で批判が高まっている。
日刊紙『朝鮮日報』は「イ・ジョンボムは昨年から迎え入れようと努力したKTのイ・ガンチョル監督にも迷惑をかけた」と指摘。そして、「現職コーチに監督オファーを提案した放送制作陣も問題だが、結局はイ・ジョンボム自身が拒絶したなら何の問題もなかった。彼には責任感が足りていなかった。チームワークを考慮した球団の引き留めにも応じず、自然な流れに逆らうことを選んだ」と糾弾している。
また、韓国メディア『OSEN』は「最終的には球団からの契約解除を申し入れもしたところが、なんとも恥ずかしい」と一刀両断。そして、前代未聞の事態に騒然とするKT関係者のコメントを伝えている。
「驚くべきは番組制作側の動向だ。彼らは所属チームに対してイ・ジョンボムコーチの獲得に関するいかなる了解も得ていなかった。KTの関係者は『このような形での流出は極めて異例だ。制作側がイ・ジョンボムコーチを招く過程で、私たち側に何の連絡も、説明もなかった』と漏らしている。
通常、こうした交渉は本人だけでなく、チームの許可をまず得るのが当然の理だ。しかし、番組側はそのプロセスを勝手に省略し、直接アプローチして甘い囁きを投げかけたのだ。一部では『人気を博する番組側がKBOリーグとその球団を軽視しているのではないか』という指摘すら出ている」
まさに異例の展開を迎えた元NPB助っ人の動静。KBOリーグからの“永久追放”の可能性すら問われているイ・ジョンボム氏の決断に対する衝撃は、しばらく落ち着きそうにない。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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