慎重に調整を続けながら先発投手として本格的に始動した大谷。(C)Getty Images 現地時間6月16日のパドレス戦…

慎重に調整を続けながら先発投手として本格的に始動した大谷。(C)Getty Images

 現地時間6月16日のパドレス戦で約2年ぶりの公式戦マウンドに立った大谷翔平は、投打二刀流の本格再起に向けてギアを上げた。

 そこから中5日で迎えたナショナルズ戦で2度目の登板を果たした大谷は、計2イニング(46球)を消化。今回のリハビリを「未知の領域」(デーブ・ロバーツ監督談)としているチームの制限下で負荷を強めながら淡々と投げ続けている。

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 たしかに消化した球数やイニング数は少ない。ただ、右肘側副靭帯の損傷からのリハビリ過程にあることを考えれば、大谷がショートイニングで降板するのは必然とも言える。

 しかし、一部の識者は、いわゆる“オープナー”となる大谷の起用法に異論を唱える。

「ケガを恐れて過度に制限するのはもうごめんだ。この男は投げて打つんだよ。何ができるか見ようじゃないか」

 そう真っ向から反発したのは、ケビン・ミラー氏だ。かつてレッドソックスでワールドチャンピオンも経験した名手は、MLB公式ネット局『MLB Network』の番組内でオープナー起用に「そのアイデアは好きだ」とした上で懐疑論を口にした。

 ドジャースの“慎重すぎる”起用プランを一刀両断したミラー氏。これに番組司会のブライアン・ケニー氏から「“金の卵”を守るためだ。オオタニはもう肘の手術を何度も受け、投手としては3シーズン近く棒に振っている。だから、ドジャースは彼を守るのは当然なんだ」と反論されると、こう持論を続けている。

「ドジャースがオオタニと7億ドルの大型契約を結んだのは、彼が誰もできない二刀流だからだろ? ただただDHとして、シーズン57本塁打を打って、110打点ぐらい稼ぐだけのために7億ドルを出したわけじゃない。そういう安全運転のために7億ドルを払うならセンスがあるとは言えない」

 さらにミラー氏は「もううんざりなんだよ」と強調し、自身が考える“奇想天外”とも言える起用プランもぶち上げている。

「もし、オオタニが健康なら、そして彼自身が投げたがっていて、デーブ・ロバーツの指示を待っているのなら、オープナーでもいいが、もっと(マウンドに)行かせるべきだ。だって、前にも2、3イニングは投げたことがあるんだから」

 打者としても核となる成績を見せる大谷はチームから外せないため、マイナーでの調整登板も叶わない。そんな特殊事情だからこその公式戦でのリハビリなのだが、その異例の起用法を受け入れられない識者は少なくないようである。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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