◇国内男子◇ジャパンプレーヤーズチャンピオンシップ by サトウ食品 3日目(28日)◇西那須野CC(栃木)◇6956…
◇国内男子◇ジャパンプレーヤーズチャンピオンシップ by サトウ食品 3日目(28日)◇西那須野CC(栃木)◇6956yd(パー71)◇晴れ(観衆1805人)
幼い頃から身近には海とボードがあった。宮崎県出身の丸尾怜央(まるお・れお)は、かつてサッカーや陸上、体操(ゆか)にも打ち込んだスポーツ少年。でも父は、ホントは愛息をプロサーファーに育てたかったのだという。
県内でサーフィンの大会が行われるたびにプロ選手を自宅に泊めるほど、父の高範さんは大のサーフィン好き。波乗りが盛んなインドネシアのバリ島に息子を送り込むべく、現地の幼稚園を見学に行ったことすらあった。
子育ては計画通りにはいかない。結局、地元の小学校に通い始めた息子を海に誘い、ロングボードに一緒にのったあの日が転機だった。突然の高波にのまれた父子は数秒のあいだ、離れ離れに。「溺れかけて、お父さんの足をつかんで助かりました。それから2年くらいトラウマに…」と、怜央少年は砂浜に背を向けサーフからターフの道へ。10歳で始めたゴルフに姉、妹とのめりこみ、中学時代に「日本ジュニア」で優勝するなどトップアマに成長した。
宮崎・日章学園高3年時の昨年、日本ツアーの予選会に挑戦してプロ転向。さっそく下部ACNツアーからキャリアをスタートさせ、すでに3回のトップ10入りを決めている。「両親からは『大学に行け』と言われていたんですけど、『行っても授業には出ない』と言ってプロに」。親の心子知らず。でも、それだけの信念を持ってルーキーイヤーを戦っている。
目指すは世界一。だから今は、スコッティ・シェフラーが憧れの的。小さい頃はもちろんタイガー・ウッズが好きで、クリス・ディマルコと争った末に優勝した2005年「マスターズ」の映像は数えきれないほど見た。「聞かれたら言います」という自慢は誕生日が12月30日で、ウッズと同じなこと。166cm、77kgの身体は夢と可能性でいっぱいだ。(栃木県那須塩原市/桂川洋一)