6月28日から第107回愛知大会が開幕する。毎年、スカウトからの注目度が高い愛知。プロ志望の選手や、大会を盛り上げるトッ…
6月28日から第107回愛知大会が開幕する。毎年、スカウトからの注目度が高い愛知。プロ志望の選手や、大会を盛り上げるトッププレイヤーたちを紹介していきたい。
プロが注目する4人の好投手たち
今年はプロ志望の投手が複数いる。まずは150キロ右腕・中西 浩平投手(3年=豊川)。今年の愛知県NO.1右腕として評価が高い。戸郷 翔征投手(巨人)を彷彿とさせるようなフォームから常時140キロ中盤の速球、130キロ前半の曲がりが鋭いスライダー、フォークで勝負するパワーピッチャーだ。東海大会では制球を乱して、本来の投球ではなかったが、フォームを改善させれば、一気に上位指名の可能性を持った投手だ。
194センチ右腕のモレチ アレシャンドレ投手(3年=誉)も本格化している。最速は春の144キロから3キロアップして147キロに到達した。矢幡真也監督は「安定感もだいぶ高まり、実戦力はエース・南原誉蓮投手(3年)と遜色ないレベルに高まってきました」と成長を語る。成長とともに、プロのスカウトからの評価も高まっており、本腰を入れて視察している球団もある。モレチは英語も堪能で、海外でプレーできる素養もあるため、MLB球団スカウトも訪れているという。
小山 隼和投手(3年=享栄)は188センチの大型左腕。回転数の高さはOBの東松 快征投手(オリックス)より上と評価されているが、最速は140キロと、球速アップが課題だった。この春は県大会初戦敗退と芳しい実績を残せていない。小山もプロ志望届提出予定だ。
今年はプロ志望の左腕は少ないだけに、目覚ましい成長をすれば一気に立ち位置が上がる可能性はある。
また、本格派右腕・長塚 陽太投手(3年=杜若)が大きく成長を見せている。春の県大会ではノーヒットノーランを達成。その後、全三河大会で最速147キロをマークし、順調にレベルアップをしている。投球練習を見ていてもフォームのバランスが非常に良い。
長塚を指導する元プロの田中 祐貴監督は「まだ潜在能力を出し切っていないと思わせるほど、伸びしろを感じます。次のステージでは155キロにいってもおかしくない」と評価する。長塚は「田中監督の指導に感謝しています。高校では怪我もなく、順調に成長できたと思います」と語っている。まだ進路は迷っているが、高卒プロ志望となれば、高評価される存在になるかもしれない。
全国屈指の左腕・芹澤
高校生屈指の左腕・芹澤 大地投手(3年=高蔵寺)は夏の大会前にプロ志望届を提出せず、社会人野球に進むことを表明した。最速150キロを誇るストレートは手元でぐっと伸び、高確率で三振を奪える。夏へ向けて、長いイニングを投げるためにフォームの感覚調整に努めている。最後の夏も無双した投球を見せることができるか。
高蔵寺と同ブロックの名古屋たちばなは織田 優太投手(3年)と石川 萬才投手(3年)の2枚看板が牽引する。織田は常時140キロ中盤の速球を投げ込む快速球左腕で、愛知招待試合の仙台育英戦では3回1失点の力投。曲がりが鋭いスライダーは攻略困難だ。石川は真っ向から振り下ろすフォーム。繰り出すストレートは140キロ中盤を計測し、角度もあって、打ちにくい。この2人以外でも多くの投手を擁しており、ノーシードから甲子園を狙える投手陣がそろう。
昨夏から140キロ中盤の速球を投げ込んでいた久田 泰心投手(3年=東邦)は注目の好投手。潜在能力も高く、この夏で躍動できるか。
礒田 桜士朗投手(3年=愛工大名電)は、140キロ前半の速球、スライダーで勝負する好左腕で、打撃センスも非常に高い。
県内を盛り上げる注目野手たち

野手では、松井 蓮太朗捕手(3年=豊橋中央)が県内No.1捕手との呼び声が高い。高い弾道のフライを常に打てて、長打が期待できる。かなりの強肩であり、昨秋からスカウトが熱心に追っていた。今年はドラフト候補に挙がる捕手が少ないため、夏も視察する球団はありそうだ。
鈴木 拓見外野手(3年=名城大付)は、走攻守三拍子揃ったアスリート型外野手。早い段階からプロへの思いを語っている。
仙台育英との招待試合では三塁打を放ち、ベースランニングのスピード、打球の速さは目を惹くものがあるが、まだ今年の実戦で目立った結果を残せていないので、夏の結果が問われる。
仲谷 成真内野手(3年=享栄)は高い守備力を誇るショートストップ。享栄を率いる大藤 敏行監督は歴代の教え子の中でも守備力はNO.1だという。
県内屈指の遊撃手・淺井 太介内野手(3年=名古屋たちばな)は、仙台育英戦で4打数2安打の活躍。速球投手に対してもしっかりと捉えるバットコントロール、俊敏な動きを見せる守備も秀逸だ。プロからも注目されていたが、仙台育英戦の試合後の取材で、進学を表明している。
2年連続で甲子園出場を狙う中京大中京の岡部 純陽内野手(3年=中京大中京)は合理的なスイングで、広角に打ち分ける左のスラッガーだ。
2年生以下では荻田 翔惺内野手(2年=中京大中京)、坂本亮太外野手(2年=享栄)の飛躍が期待される。この2人は東海中央ボーイズ出身で、横浜の小野 舜友内野手(2年)、江坂 佳史外野手(2年)、智弁和歌山の山田 凜虎捕手(2年)とともに「中学BIG5」と称された。荻田はクリーンナップを打つまでに成長。中学時代、投手だった坂本は外野手として出場している。この2人がこの夏、来季のドラフト候補として期待できるパフォーマンスを示すことができるか。
萩迫 裕貴(1年=名古屋たちばな)は仙台育英との招待試合に1番セカンドで出場を果たし、3打数2安打の活躍を見せ、首脳陣の評価を高めた。バットコントロールが高く、1年夏からシュアな打撃を見せることができるか。