◇米国女子◇ダウ選手権 2日目(27日)◇ミッドランドCC(ミシガン州)◇6287yd(パー70)渋野日向子と勝みなみ…

渋野日向子と勝みなみのペアは「66」で回るも届かず

◇米国女子◇ダウ選手権 2日目(27日)◇ミッドランドCC(ミシガン州)◇6287yd(パー70)

渋野日向子勝みなみのペアが通算1オーバーで残り3ホールを迎えたとき、カットラインは通算1アンダーだった。間違いなく追い込まれている状況で2人が意地を見せた。

ホールごとにペアの良い方のスコアを採用するフォアボールのフォーマット。7番(パー3)はともに5mほどのチャンスにつけた。「(情報が増えて)もうすごい惑わせているような感じもしちゃったけど、何もしないよりは絶対いい」(渋野)と2人でラインを読み、先に打った勝がバーディ。8番も渋野が微妙なパーパットを残していた状況で、勝が10mほどを沈めるナイスパーセーブを決めた。

ドライバーは振れていたが…

「かっちゃんが、ヤベーの入れてくれて。マジで助かりました」。気持ちよく向かった最終ホールの9番、「セカンドで攻めよう」と誓い合った言葉をショットで体現した。残り115ydから渋野が右奥のピンまで果敢に突っ込んでベタピンのバーディ締め。「66」と伸ばしてホールアウト時点では通過圏内に滑り込んだが、午後組のプレーで通算4アンダーまで上がったラインに3打及ばなかった。

伸ばし合いになる方式で停滞した序盤が悔やまれる。出だし10番から勝がチャンスを逃し、パー5の11番も渋野が3打目のウェッジショットをピンに絡めきれなかった。12番で勝が最初のバーディを決めても、どこか重苦しい雰囲気も漂う中で何とかピンチをしのぐプレーにパワーを使った。ともにグリーンを外した14番は渋野がアプローチもミスしてボギーが確定。そこで勝が微妙な距離を入れて切り抜けると、15番ではパートナーが3パットを喫した後に渋野が2mをねじ込んで耐えた。お互いをカバーする必死のチームプレーは「『絶対落とさねえ』っていう意地でした」

ともにバーディパットをなかなか決めきれなかった

シビアなパーパットは決まるのに、入れたいバーディパットがわずかに外れた。昨年2日目は、やはり当落線上で戦っていた折り返しの18番(パー3)で渋野がホールインワンを決めてから一気に爆発したが、そう簡単に流れを変える一打は生まれない。同組のジェニファー・カップチョレオナ・マグワイア(アイルランド)ペアが「60」と爆発した横でことごとく強めになっていたパッティングのタッチは、パートナーを助けたいという切実な思いとも関わっていそう。「(気持ちが)全力で入ってます。気持ちだけは負けてないけど…」と苦笑いで振り返る。

3日目の18番で流れるチームごとのテーマ曲としてアイドルグループ、CANDY TUNEの『倍倍FIGHT!』の振り付けを練習していたが、それも披露できずじまい。渋野が「やり残したことしかない」と悔しがれば、勝も「(やりたかったことを)ひとつもできてない」と唇をかんだ。年に一度のダブルス戦は、2人にとってゴルフを全力で頑張り、ともに過ごす時間を楽しみつくす特別な1週間。昨年20位のリベンジを狙った挑戦は、ほろ苦い結果となった。(ミシガン州ミッドランド/亀山泰宏)