井上戦を見据えながら目の前の防衛戦に集中するボール。(C)Getty Images、(C)Takamoto TOKUHA…

井上戦を見据えながら目の前の防衛戦に集中するボール。(C)Getty Images、(C)Takamoto TOKUHARA/CoCoKARAnext

 当代最強と評される日本人とのメガマッチ実現を見据え、英国の“突貫小僧”は、無敗の挑戦者との防衛戦を受ける。

 英ボクシング専門YouTubeチャンネル『Boxing Now』に登場したのは、WBAフェザー級王者ニック・ボール(英国)だ。来る8月16日にサウジアラビア・リヤドで行われる興行のセミファイナルカードとして組まれた元IBF世界スーパーバンタム級1位サム・グッドマン(豪州)との防衛戦に挑む28歳は、その意気込みを新たにしている。

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「正直に言って誰が相手だろうと関係はない。俺はファイターだから言われた相手と戦うだけ。勝ち続けて、頂点に立ち続けるためにね」

 自信満々でそう語るボールが対峙するグッドマンは、キャリア20戦無敗(8KO)を誇る難敵。スーパーバンタムからの階級上げ初戦とはいえ、油断のできない相手とも言えるが、「いい相手ではある。無敗だしね。だけど、俺が必死に積み上げてきたものは絶対に奪わせない。俺が意識しているのはベルトが懸かった試合になるということぐらい」と揺るぎない自信を見せている。

 今年3月に地元リバプールで、同級6位だったTJ・ドヘニー(アイルランド)に10回TKO勝ちを収めて以来の防衛戦に臨むボールは、現スーパーバンタム級4団体統一王者の井上尚弥(大橋)との対戦実現も囁かれる存在だ。実際、数々のビッグマッチを手がけるサウジアラビア総合娯楽庁のトゥルキ・アル・シェイク長官も「お気に入り」とされるカードでもあり、将来的に井上が昇級を果たした際には、実現性が高いとみられている。

 当然ながらボールも“モンスター”を意識はしている。「メンタルや自分の振る舞い、努力だったり、あらゆる点で最高の自分がいれば、誰にだって勝てる」と声高に言う28歳は、記者から「グッドマンはイノウエとの対戦に向けた準備として適切な相手だと思う?」と問われ、「いや、そんな相手はいないんじゃないかな」とキッパリ。そして、こう持論を展開している。

「俺は俺自身でイノウエとの試合に向けて準備するよ。その前に立ちはだかる相手が誰だろうと関係ないと思う。だって、あのイノウエだよ? みんなが戦ってほしいと望む相手なんだ。正直、ちょっと聞き飽きているぐらいさ(笑)。きっと向こうも俺の名前は聞き飽きていると思うよ。まぁそれがボクシングってもので、よく結び付けられるのは仕方ないと思っている」

 巷で強い関心を寄せられるドリームマッチの可能性は否定しなかった。そこにあるのは、井上の強さを認めるボールなりのリスペクトとも言える。

 とはいえ、最強とされる井上との大一番は必ず実現させる――。ファイターとしての想いもボールは隠さない。

「遅かれ早かれ実現はさせたい。みんなが注目するような対戦になるだろうからね。でも、おそらく今は、お互いに目の前の試合に集中しているし、話し合いはその後に進めていく感じだ」

 世界が注目する一戦を見据えながら防衛戦に挑むボール。まずは、灼熱のサウジ決戦で、恐れ知らずの挑戦者といかなる戦いを見せるのかを興味深く見守りたい。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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