◇米国女子◇ダウ選手権 初日(26日)◇ミッドランドCC(ミシガン州)◇6287yd(パー70)スタートから「震えるく…
◇米国女子◇ダウ選手権 初日(26日)◇ミッドランドCC(ミシガン州)◇6287yd(パー70)
スタートから「震えるくらい緊張していた」という馬場咲希の心持ちは、ペアを組む吉田優利にも伝わっていた。「なんか(全然)しゃべんなかったから、緊張してるなって。『大丈夫だから。私が全部(カバーを)やるから、思い切っていきな』って言いました」。姉が妹を励ますように背中を押した効果はてきめんだった。前半13番(パー3)から3連続バーディが先行した。
1つのボールを交互に打つフォアサム方式の難しさは、昨年も出場した吉田が痛感した部分。ただ、プレースタイルの違う2人の個性がしっかりかみ合った時は間違いなくスコアにつながる。バンカー越えの左サイドにピンが切られた17番、馬場が持ち前の高弾道でダイレクトに攻め込んだ。吉田は「自分だったら完全に右に(堅実な攻めで)行きたくなるところ。そこをしっかり(ピンに)行ってくれる。見ているこっちも気持ちがいいし、応えてあげたいショットになります」と、改めてスケールの大きさにうなる。
下りの難しいバーディパットは惜しくも外れたが、続く18番(パー3)では頼もしい先輩が持ち前のスキルを存分に発揮した。池に囲まれたグリーンの左ピンを狙った馬場のアイアンショットが「ちょっと攻めすぎちゃった…」と左ラフにこぼれた後、10ydほど残ったアプローチ。少し逆目の厄介なライからロブウェッジで柔らかく上げたボールは、落としどころも完ぺきで、きれいにカップへ吸い込まれた。
パーパットに備えてパターを持っていた馬場も「優利さんだったら近くに寄せてくれると思っていたけど、そのまま入って、観客みたいなリアクションをしちゃってました。メッチャ興奮しました」と声のトーンを上げる。尊敬のまなざしに吉田も「攻めていっていいよと言っていたので、もう、私はカバー係で。きょうは頑張れました」と少しだけ胸を張る。
開幕前には吉田が宿泊するレンタルハウスで餃子パーティを開いて盛り上がったという2人。ショートゲーム巧者の吉田が控える安心感が馬場本来のショット力を引き出す好循環で、3アンダー「67」をマークした。
首位と1打差2位につける滑り出しに、「やっぱり(馬場が)飛ぶので、その分だけ私はフェアウェイに堅実に行ける。すごく相性がいいと思います。この(フォアサム)方式で3アンダーって、すごいと思う」。伸ばし合い必至となる2日目のフォアボール(ペアのそれぞれがプレーしてホールごとに良い方のスコアを採用)へ、ペアが持つ可能性に自信を深めた様子だった。(ミシガン州ミッドランド/亀山泰宏)