二刀流で投打同時出場をついに再始動し始めた大谷。(C)Getty Images 大谷翔平(ドジャース)が現球界で“唯一”…

二刀流で投打同時出場をついに再始動し始めた大谷。(C)Getty Images

 大谷翔平(ドジャース)が現球界で“唯一”の適用者となっているルールが改めてクローズアップされている。MLBが23年から独自に設けた「二刀流ルール」だ。

【動画】大谷翔平が今季2度目の先発 スプリットで三振を奪うシーン

 現地時間6月22日に本拠地で行われたナショナルズ戦で、大谷は今季2度目の先発登板。最速100マイル(約160.9キロ)の4シームを交えながら、2奪三振を含め無安打、無失点と好投。1回(18球)を投げきったところで降板となった。これで背番号17は、投打二刀流の本格復帰に向け、また一歩前進した。

 そうした中で追及された“二刀流ルール”は、野球規則でも改定されたもの。先発投手が指名打者(DH)を兼務できるようになることから「大谷ルール」とも呼ばれている。

 現在、MLBで二刀流を本格的にトライする選手が大谷しかいないため、まさに「大谷のためのルール」とも言えるのだが、その在り方は何かと議論となる。米ポッドキャスト番組『Nothing Personal』に出演したマーリンズ元球団社長であったデビッド・サムソン氏は、ロースター枠におけるドジャースが受ける“恩恵”を疑問視した。

「このルールは彼(大谷)にのみ適応されている。二刀流の場合、2つではなく、1つの登録枠を占める。ただ、ドジャースには他のチームと同様に13人の投手枠がある。オオタニはその枠には含まれていない。14番目の投手なんだ」

 1人2役をハイレベルで大谷。そんな偉才が生んでいる“ルールの抜け穴”に切り込んだサムソン氏は「彼はただ投げるだけではないんだ」とも強調。そして、「14人目の投手をロースターに入れて、その投手が毎試合、先頭打者になるからベンチが手薄になるということもない。このルールはドジャースにとって有利だ。オオタニのリハビリをメジャーリーグレベルで行うこともできる」と批判的な見方を展開した。

 この「ドジャース優位」という見方は、指摘が絶えないのは事実だ。米野球専門YouTubeチャンネル『Foul Territory』のホストで、元ヤンキースの捕手であったエリック・クラッツ氏も「このルールはドジャースを勝たせるために本格的に整備されたようなものだ。不公平だ。マジで不公平だよ。彼らは何でも手に入れる」と嘆いた。

 他球団から見ると不公平に映るかもしれない同ルール。その内容が何らかの形で規制されることはあり得るのだろうか。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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