亡き母を侮辱され、涙を流したマルテ。(C)Getty Images ファンの“声”に心が折れた。現地時間6月24日、ダイ…

亡き母を侮辱され、涙を流したマルテ。(C)Getty Images

 ファンの“声”に心が折れた。現地時間6月24日、ダイヤモンドバックスのケテル・マルテは、敵地でのホワイトソックス戦で観客の暴言に涙。プレーを中断せざるを得ない事態に至った。

【動画】マルテがグラウンド上で号泣 ファンの野次が波紋を呼んだシーン

 この日の初回に先制となる15号ソロを放っていたマルテが、感情を抑えきれない状態となったのは、4-1とダイヤモンドバックスがリードした7回裏の守備時だった。1死から投手交代時に目を真っ赤にし、涙をユニフォームで顔をぬぐうシーンが中継に映し出されたのだ。

 31歳のベテランが人目をはばからずに涙したのは、敵地で飛んだ暴言にあった。米スポーツ専門局『ESPN』によれば、スタンドにいた男性が2017年にドミニカ共和国で交通事故により亡くなったマルテの母親を侮辱する言葉を浴びせたという。

 最愛の家族をけなされ、感情が抑えきれなかった。この時、マウンドから駆け寄り、肩を抱いたダイヤモンドバックスのトーリ・ロブロ監督は、「誰に対しても、ましてや母親を亡くした人に対しては絶対に言わないようなひどい発言だった。明らかに度が過ぎていた」と憤怒。

 さらに「聞こえていた。だから私はそいつを睨みつけた」と野次がグラウンド上で聞こえていたことを認めた上で「君を愛しているよ。味方だ。君は1人じゃないぞ。何が起ころうと、何を言われようと、何を聞いたとしても、あいつはバカなんだ。君が気にするような相手じゃない」とマルテに慰めの言葉をかけたことを明かした。

 元ヤクルトの助っ人である指揮官が激怒した騒動を重く見たMLBは幾度も野次を飛ばしていた当該男性を即座に確認。ホワイトソックスの本拠地をはじめとする30球団のスタジアムから無期限の追放処分とした。騒動の内情を伝えた『ESPN』によれば、同男性はマルテへの暴言を「不適切であったと認め、後悔している」という。

 非礼な振る舞いで後味の悪いものとなった一戦。MLBが即座に対処したことが事態の重さを物語っている。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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