ベテランプレーヤーの矜持~彼らが「現役」にこだわるワケ(2025年版)第4回:中島裕希(FC町田ゼルビア)/前編FC町田…
ベテランプレーヤーの矜持
~彼らが「現役」にこだわるワケ(2025年版)
第4回:中島裕希(FC町田ゼルビア)/前編
FC町田ゼルビアに加入して10シーズン目を迎えた中島裕希
取材に訪れた6月上旬。トレーニング開始から1時間半が過ぎた頃、FC町田ゼルビアの中島裕希がぶち込んだ、強烈なミドルシュートにチームメイトから歓声が上がった。
41歳、チーム最年長。シーズン序盤こそケガで離脱していたものの、戦列に戻った今は強度の高いすべてのメニューを淡々とこなしていく。チーム全体に疲労が見え隠れし始めたトレーニング終盤も、足は止まらない。
「あのシュートは本当にたまたまです! あんなの、出したことない(笑)。いいタイミングで見てもらえてよかったです」
そこに続いた言葉が、中島の今を物語っていた。
「僕は言葉で人を動かせるようなタイプでもないので、ただただ日頃の練習から絶対に手を抜かず、100%でやることにめちゃめちゃこだわっています。それを見て、他の選手がどう感じるのかはわからないですが、僕の思いとしては、それがチームにいい影響を与えるとか、みんなの活力になればいいなって思っています」
中島裕希(なかしま・ゆうき)
1984年6月16日生まれ。富山県出身。富山第一高卒業後、2003年に鹿島アントラーズに入団。「常勝軍団」のなかでもまれて、2006年にベガルタ仙台へ期限付き移籍。2008年に完全移籍する。その後、2012年にモンテディオ山形に期限付きで移籍し、翌年完全移籍。2015シーズン終了後、契約満了となるが、トライアウトを経て2016年にFC町田ゼルビアへ加入した。身体能力に優れた万能FW。