カージナルスで先発ローテの一角を担っているフェッディ。(C)Getty Images 米球界における“夏の風物詩”とも言…

カージナルスで先発ローテの一角を担っているフェッディ。(C)Getty Images
米球界における“夏の風物詩”とも言えるトレード期限(現地時間7月31日)が着実に迫っている。例年、駆け込み補強を含めて30球団が忙しなく動く中で、とりわけポストシーズン進出を見込むチームのそれは小さくない注目を集めるものとなる。
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そんなトレード市場において、今夏に最注目となるのは、ドジャースの動静だ。オフにブレイク・スネルやタナー・スコット、佐々木朗希など大型補強を展開した“銀河系軍団”だが、今季は故障者が続出。とりわけ投手陣は計14人が負傷者リストに入るなど火の車状態となっている。
例年、シーズン中の大型トレードをせず、春先に整えた現有戦力で1年を乗り切る傾向にあるドジャース。だが、今季は先述の台所事情もあり、球団幹部も「計画は必ずしも計画通りには進んでいない」「絶対にないとは言い切れない」(アンドリュー・フリードマン編成本部長談)と新たな補強に踏み切る可能性を示唆している。
目下、懸案事項となっている投手陣のテコ入れは不可避な状況にあって、候補は枚挙に暇がない。その中で巷を賑わせるのは、アジア球界から逆輸入を遂げた投手の獲得だ。米誌『Sports Illustrated』によれば、カージナルスの右腕エリック・フェッディもターゲットの一人となっているという。
現在32歳の右腕は、異色の経歴の持ち主である。2014年に米ドラフト1巡目(全体18位)でナショナルズに入団。いわゆる「トッププロスペクト」の扱いを受けたフェッディだったが、当時は通算成績21勝33敗、防御率5.41と結果を残せず。22年にFAとなると、心機一転で、KBO(韓国プロ野球)リーグに挑戦を決めた。
しかし、鳴り物入りで飛び込んだNCダイノスで、フェッディは覚醒する。23年シーズンに29試合に先発して20勝6敗、防御率2.06、204奪三振、WHIP0.95、被打率.207と驚異的な成績を残し、「投手3冠」を達成。見事にリーグMVPにも輝き、同年のオフにはソフトバンクやオリックス、巨人の名も噂される国際的な争奪戦が繰り広げられた。
日米韓の争奪戦の末に「韓国で掴んだ成功がより良い結果に結びつくと思った」と母国復帰を決意したフェッディは、昨季にホワイトソックスと契約。そしてカージナルスに加入した今季は、15先発で、3勝(6敗)、防御率3.54、WHIP1.30とまずまずの成績に終始している。
投手陣の現状を考えれば、フェッディは駒不足を埋めうるタレントではある。「ドジャースは投手層の薄さや故障者の続出に悩まされており、復帰を待つよりも、期限前トレードで新たな投手を加えるのが現実的な解決策になる」と説く『Sports Illustrated』は、こう続けている。
「ドジャースにとっての急務は(ポストシーズンが始まる)10月までに実力ある投手を獲得することだ。もし、有望株を多く差し出す必要がなければ、アンドリュー・フリードマン編成本部長が動く可能性は十分にある。そこまでの見返りを必要としないフェッディであれば、若手有望株も失うことなく、安定した先発を加えることができる。ドジャースにとってより良い補強になるだろう」
投手としての本格復帰を始めている大谷翔平の“リハビリ”経過を考えても、先発投手のテコ入れは課題。それだけに経験値の豊富なフェッディ獲得は理にかなっているように思えるが、果たして――。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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