■磐田の先制点につながった「布石」【J2リーグ第20節 6月21日 19時03分キックオフ 千葉 0ー1 磐田 フクダ電…
■磐田の先制点につながった「布石」
【J2リーグ第20節 6月21日 19時03分キックオフ 千葉 0ー1 磐田 フクダ電子アリーナ】
後半戦のスタートは、「戦国J2」を印象づけるものとなった。
J2リーグ第20節が6月21、22日に行なわれ、前半戦首位ターンのジェフユナイテッド千葉は21日、J1昇格プレーオフ圏の6位のジュビロ磐田とホームで対戦した。
千葉は15節のFC今治戦を最後に、4試合勝利から遠ざかっている。一方の磐田は、13節から7戦負けなしだ。
千葉は4-4-2、磐田は4-2-1-3のシステムを採る。相手ゴールへどのように迫るのかはそれぞれだが、磐田はMFジョルディ・クルークスとMF倍井謙(ますい・けん)の両ウイングへボールを供給することが、ファイナルサード攻略の重要な道筋となっている。
24分の先制点は、倍井のPK獲得によって生まれた。左CBリカルド・グラッサにパスが入った瞬間、倍位が左サイドのスペースへ走り出す。対面する千葉の右SB高橋壱晟の背中を奪ったのだが、直前の17分のプレーがその布石となっている。
グラッサから倍井の足元へ、パスが入っているのだ。倍井はハーフスペースに立つ左SB松原后へワンタッチパスをつなぎ、リターンパスを受けて左サイドの深いスペースまで侵入している。
PK獲得への流れで倍井がパスを受ける直前、高橋は前へ踏み出している。17分のプレーと同じ足元へのパスを警戒したのだろう。その刹那に倍井は高橋の裏を取り、内側へ切り込んでPKを獲得したのだった。このPKをクルークスが決め、磐田は先制に成功したのである。
■クルークスという絶対的な「個」
磐田の4-2-1-3で右ウイングを担うクルークスは、ここまでリーグトップの7アシストを記録している。1試合平均クロス数、ドリブル総数、敵陣パス数といったスタッツで、リーグトップに君臨している。総シュート数はチームトップだ。
この試合では開始早々に左足でクロスを供給すると、6分、7分と縦突破から右足でクロスを供給している。16分の右足クロスは、FW佐藤凌我の決定的なヘディングシュートにつながった。
右サイド深くでパスを受けたクルークスは、高確率でクロスを入れることができている。左利きだが右足でのクロスも多い。彼がボールを持つと、味方選手は自信を持ってゴール前へ入っていくことができる。ゴール前へ入らない選手は、クルークスのサポートではなくクロスを跳ね返されたあとを考えてポジションを取ることができる。それによって、攻撃を継続できる可能性が高まる。
クルークスは味方を使うこともできる。トップ下や右SBが右ポケットへ侵入したら、迷うことなくパスを通している。そのプレー選択がまた、守備側を困らせるのだ。
クルークスという存在は、相手守備陣を攻略する明確な答えとなっている。その存在が強力な「戦術」となっていると言ってもいい。