大谷への死球直後に退場を命じられたスアレス。(C)Getty Images 剛腕の投じた渾身の一球が生んだ波紋は広まり続…

大谷への死球直後に退場を命じられたスアレス。(C)Getty Images

 剛腕の投じた渾身の一球が生んだ波紋は広まり続けている。

 物議を醸す発端となったのは、現地時間6月19日に行われたドジャースとパドレスの一戦で生じた騒動にあった。

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 パドレスが3点をリードした9回裏に試合を締めくくるべくマウンドに上がったロベルト・スアレスは、一死無塁の局面でドジャースの主砲である大谷翔平と対峙。カウント3-0となったところで、相手の右肩下付近に100マイル(約160.9キロ)の4シームを当ててしまったのである。

 16日(現地時間)から始まった4連戦で互いに主力への死球が目立っていた両チーム。直前の9回表にはパドレスのフェルナンド・タティスJr.が手首に死球を受けていたこともあり、大谷へのボールは、スアレスひいてはパドレス側による“報復”と考えられた。

 試合後に米カリフォルニア州地元ラジオ局『97.3 The Fan』などの取材で「あれは故意ではなかった。何度も言うが、ただ試合を締めようとしただけ」と釈明したスアレス。しかし、カウント3-0から投じた剛速球だけに「意図がなかった」とするのは容易ではなく、一部の米メディアでは34歳の右腕に非難の声が上がった。

 とりわけ怒りが収まらないのは、ドジャースの周辺メディアである。日夜チームのありとあらゆる情報を発信している専門サイト『Dodgers Nation』のダグ・マケイン記者は「パドレスは『タフガイな俺たち』みたいなふりをしているだけだ」と糾弾。その上で大谷に対する“報復”とも取れる死球を次のように振り返った。

「ショウヘイは誰よりも器が大きいと思うよ。誰よりもずっと大人だった。なぜなら、普通、3-0からあんなところに投げられて、100マイルのボールをぶつけられたら誰だってキレるはずだよ。あのボールはかなりタチが悪いし、最低のやり方だ」

 さらに「イキがってるだけのやつがやることをやった」とスアレスを断じたマケイン記者は、「私はロベルト・スアレスに『おめでとう』と言いたい。これで彼にもオオタニにぶつけたという球界で語り継がれる“実績”が出来たんだ」と強烈な皮肉を展開。そして、「彼は否定したが、あれは明らかに故意だった」と怒り任せに持論をぶちまけている。

 次回シリーズは8月に行われる予定となっているドジャースとパドレス。今回の4連戦で生じた遺恨によって、両軍の緊張感はより一層の高まりを見せそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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