陸上の世界最高峰シリーズ・ダイヤモンドリーグ第8戦は20日、パリであり、男子110メートル障害で村竹ラシッド(JAL)…
陸上の世界最高峰シリーズ・ダイヤモンドリーグ第8戦は20日、パリであり、男子110メートル障害で村竹ラシッド(JAL)は予選で13秒08(追い風1.4メートル)、決勝でも13秒08(同1.1メートル)と、ともに今季自己最高をマークし、4位に入った。トレー・カニンガム(米)が13秒00で優勝した。
■アップを工夫
ライバルを横目に、村竹は決勝前のウォーミングアップ会場をいち早く引きあげた。昨年、このパリ大会で、決勝前に足がつり棄権した教訓があったからだ。
「体が動くことはわかっていた」。気温が上がり、シーズン中盤にさしかかるこの時期は出力が上がる。予選と決勝がわずか1時間10分ほどというスケジュールは、同じく間隔が短い9月の世界選手権東京大会を見据えてもうってつけの予行演習だ。スパイクも履かない最低限の練習で決勝に挑んだ。
予選を組のトップで通過し、決勝はど真ん中の5レーンを与えられた。隣にはパリ五輪王者のホロウェイ(米)が立つ。
「1戦でもいいからホロウェイに勝つ」。今季掲げている目標をかなえるべく、前半が得意の相手に2台目まで0秒03差で食らいついた。徐々に差をあけられたが、終盤で失速した相手を最後のハードルで逆転。ホロウェイの明らかな失敗レース以外では初めての「勝利」だった。
この日は他の海外勢が自己記録で走った高速レース。0秒01差で表彰台には届かなかった。それでも、昨夏この種目で日本勢初となる五輪入賞(5位)を果たしたパリで、たしかな成長を実感した。「世界でのメダルが現実味を帯びてきた」(パリ=加藤秀彬)