スアレスから死球を受け、痛みをこらえる大谷。(C)Getty Images メジャーリーグで起きた“死球合戦”が物議を醸…

スアレスから死球を受け、痛みをこらえる大谷。(C)Getty Images
メジャーリーグで起きた“死球合戦”が物議を醸した。
現地時間6月16日から始まったドジャースとパドレスの4連戦は、第1戦でドジャースのアンディ・パヘスが死球に激怒したところから、遺恨が始まり、第2戦では両軍で3死球が飛び交う大荒れの展開に。大谷翔平が明らかな報復を太腿に受けたにもかかわらず、警告を受けたことに異を唱えたデーブ・ロバーツ監督が退場処分ともなった。
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そして第4戦では、9回一死からドジャースのジャック・リトルがフェルナンド・タティスJr.の右手首に死球をぶつけると、両軍の全選手がフィールドに飛び出し、ホームベース付近で約7分間にわたって睨み合う大騒動に発展。その裏のドジャースの攻撃では大谷がパドレスの守護神で、阪神時代に最多セーブタイトルも獲得しているロベルト・スアレスから“報復”と言える死球を受けた。
長くいがみ合ってきた両チームによる“やられたらやり返す”という攻防。そのやり合いは、球界の不文律が明確に表れたものでもあった。
もっとも、両チームの関係者ともに公の場で「意図的にやった」や「狙った」とは明言しなかった。ただ、タティスJr.や大谷が受けた死球はいずれも「明らかに報復だ」というのが、米メディアや識者たちの基本的な見方である。
さまざまに論じられた中で、何よりも興味深かったのは、球界の不文律を体験してきた元OBたちの声だ。MLBで19年のキャリアを送り、通算2043安打を放った名捕手AJ・ピアジンスキー氏は、自身がホストを務めるYouTubeチャンネル『Foul Territory』において「報復行為はあるよ」と訴えた。
ドジャースとパドレスの間で起きた死球合戦についてピアジンスキー氏は、「あれは絶対にわざとだ。絶対にね。もし、『バスケスがオオタニを狙ってない』と言う人がいたら人生で一度も誰かに当てろと言われたことがないやつだ」と解説。その上で“報復”を指示された際のピッチャーの心情を慮っている。
「いわゆる“コードレッド(報復死球)”っていうのはある。そういう時に俺はこう言いたいんだ。『外角低めに9割の確率でストライクを投げられるのに、人には当てられないのかよ』って。でも、ピッチャーたちは『めっちゃ難しいんだ』って言うんだよね。彼らは打者に狙ってぶつけたと思われたがらない」
百戦錬磨の捕手が打ち明けた“投手たちの本音”。大谷に速球をぶつけて退場となったスアレスもそうした想いを抱えているかもしれない。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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