◇女子メジャー第3戦◇KPMG全米女子プロゴルフ選手権 2日目(20日)◇フィールズランチ イースト (テキサス州)◇…

山下美夢有がこの日14人だけのアンダーパー「71」で8位浮上

◇女子メジャー第3戦◇KPMG全米女子プロゴルフ選手権 2日目(20日)◇フィールズランチ イースト (テキサス州)◇6604yd(パー72)

ホールアウト後、山下美夢有の表情はどこまでも晴れやかだった。フィールド平均「76.013」の2日目を1アンダー「71」で乗り切り、首位との差こそ5打から6打に開いたが、通算イーブンパーで8位グループに浮上。日本の年間女王として2位に入った前年大会から、米ツアールーキーとして臨む今年も優勝争いを見据える位置につけた。

フェアウェイキープがマストとなるコースは望むところ

充実感いっぱいの理由はスコアだけではない様子。「きょうは特に楽しんでプレーできました。一番は、やっぱりいいリズムで回れていたことが良かった」。難しいコースであればあるほど、必然的に考えることは増える。限られた時間で思考をまとめ、状況に応じた最適解を導き出して実践していく。その“頭脳労働”を厭わないどころか、楽しんでコース攻略に没頭していく職人気質。「やっぱり(いろいろ)考えますけど、打つ時はパッと決めて(迷わず)打つっていうのがホントに大事かな」とうなずく。

ハードセッティングを楽しんで、リズムよくプレーするのが山下流

ボールがスポッと埋まってしまうようなバミューダ芝のラフや深いフェアウェイバンカーにつかまったら、一気に苦しくなるフィールズランチ イースト。「今週は特にフェアウェイを外さないようにしないと、なかなかピンに寄せていくことが難しい。いかにフェアウェイキープをしていくかっていうのは、私が(普段から)本当に大事にしていることなので」。自らのスタイルにしっかりハマるコースでの我慢大会が楽しくて仕方ない。

3つのバーディは3、9、14番といずれもパー5で獲った。同じパー5ながら2日目の難度3番目とタフな1番でティショットをいきなりラフに入れながらパーで切り抜け、比較的獲りやすいホールで取りこぼさなかった。

前年大会2位。今年も優勝争いなるか

納得のプレーを終えた直後でも思考を巡らせるのは、週末にこのタフなコースとどうやって対峙していくか。この日喫した2つのボギーのうち、7番は314ydと短いパー4。山下の飛距離では中途半端な距離が残り、セカンドはフォローの風もあって落としどころの狭いグリーン面から奥にこぼしてしまった。手前はこぶが入り組んでいて転がしのアプローチも使いづらい。「もうちょっと飛べば、(難度が下がる)横からのアングルで打てるんですけど…。ピンを攻めず、(広い)右サイドに打つべきでした」。ちょっとした“反省会”すらどこか楽しそう。テンションを上げて迎える週末も、きっと刺激的だ。(テキサス州フリスコ/亀山泰宏)