岩崎は今季ここまで13セーブを記録している(C)産経新聞社 阪神が長くつづいた連敗を止めた。 18日のロッテ戦(甲子園)…

岩崎は今季ここまで13セーブを記録している(C)産経新聞社
阪神が長くつづいた連敗を止めた。
18日のロッテ戦(甲子園)に8-1と大勝。前週の西武戦から始まった連敗は7でストップとなった。
阪神タイガース止まらない連敗…高木が考える連敗の要因は?【プロ野球】
先発の伊藤将司が粘りの投球。初回から3連続で出塁を許したが、持ち味の緩急を使ったピッチングで6回1失点と試合を作ると打線も奮起した。
3回一死三塁の好機に森下翔太が17打席ぶりとなる安打が適時打となり先制点をあげた。森下は8回にも左中間へダメ押しの適時二塁打を放ち1試合2打点、さらに6-1とリードした8回二死二塁の好機に4番の佐藤輝明にもセンターバックスクリーンに飛び込む19号2ランが飛び出し、先制、中押し、ダメ押し、投打がかみあっての好ゲームで長いトンネルを抜けた。
一方で7連敗と長くつづいた苦しい戦いの中でクローズアップされたのは救援陣の苦戦だった。
ここまで強みとされた強力リリーフ陣が7連敗中の防御率は5.07と急降下。大きく崩れたことが注目された。阪神の救援陣の状態については球界内からも考察の声が上がっている。
現役時代は大洋(現DeNA)で活躍、引退後は日本代表コーチを務め、現在は野球解説者として活躍する高木豊氏は18日に自身のYouTubeチャンネルに「阪神タイガース止まらない連敗…高木が考える連敗の要因は?【プロ野球】」と題した動画を更新。阪神の7連敗の戦いぶりを振り返っている。
連敗の要因には、打線においては、前週の西武戦で好投手とぶつかってから、打者陣が調子を崩された可能性もあると指摘。
「西武のピッチャーにバッティングを崩されている、いいピッチャーはバッティングが崩れるんだよ」と高木氏は語る。連敗が始まった10日の西武先発は左腕、隅田知一郎だった。
現在でもリーグ3位の防御率、1.44(18日現在)、リーグ最多タイの6勝をマークと球界屈指の左腕で知られる。いい投手と対戦したときは「真面目に打ちにいくと、がたがたになるときがある」と指摘。往々にして好投手と対戦すると「(打席で)前に出される、詰まらせられる ポイントが分からなくなる」など、自身のバッティングに異変が起きるときもあるとした。
その状態のまま、楽天戦に突入したことで、不振が長引いた可能性があると考察を加えた。
さらに高木氏が目を向けたのは藤川球児監督の救援起用にもあった。
右の救援の柱、石井大智が負傷離脱という大きな出来事があった中で、連敗は止まらず。「石井の離脱というのは凄く大きいよね」としながら、注目を集めた起用に関しても言及。
西武3連戦では10日の初戦に8回から登板した左腕、桐敷拓馬が4失点と崩れ逆転負け。さらに11日のゲームでは2-0とリードした9回にマウンドに上がったのは湯浅京己だった。
先頭の滝沢夏央から三振を奪うも、続くレアンドロ・セデーニョに四球、さらに4番のタイラー・ネビンには死球と制球が定まらず一死満塁のピンチを迎える。
そしてここでベンチは守護神の岩崎優を投入。5月30日広島戦以来、約10日ぶりのマウンドで試練を迎えた。
4番手として登板すると迎えたバッターは源田壮亮、1ボールから2球目、121キロのスライダーを捉えられ、同点適時打を許すと9回表の守備から出場していた炭谷銀次朗に右翼線へ運ばれサヨナラ打を献上した。
この試合の9回の起用に関して、高木氏も「変えたいんだろうね、岩崎を」と指揮官が守護神交代を視野に入れているのではないかと指摘。「変えたいんだと思う、湯浅に」「そういう節は感じてたけれどもね」とこれまでの起用から見て、湯浅に白羽の矢を立てたのではないかと推測してみせた。
「それか、両方使っていくという」とWストッパー構想もありうると指摘した。
現在、再び2軍調整となった湯浅はかつて、守護神経験もある。背景には「岩崎も疲れてるわな」と2年連続60試合登板とフル回転となっている左腕の負担軽減を考えているとした。
岩崎といえば、今季は5月17日の広島戦(甲子園)でプロ入り通算100セーブを達成、球団で「100セーブ&100ホールド」を達成したのは藤川監督以来と鉄腕リリーフで長くチームを支えてきた功労者でもある。
一方、7連敗中のチームでは15日の楽天戦(楽天モバイルパーク)で7回以降に及川雅貴、岩崎、湯浅が2イニングずつの回またぎ救援も話題を呼んだ。
こういった起用に関しても「(回またぎを)行きたくはないけど、状態が悪いから」と救援陣の窮状を示しているとした。
昨年70試合登板とフル回転となった救援左腕の桐敷にも蓄積疲労が感じられるとして、中継ぎ陣に関しては「再構築をしないと、危険かもわからないよね」と立て直しが必要という見方を示した。
今季就任1年目となった藤川監督率いる阪神は現在リーグ首位、大型連敗があってもセ・リーグ他球団も負け越しているため、順位に変動がないのは救いか。
今月27日からは再びリーグ戦再開とあって、ゲーム終盤の投手起用の重みを誰よりも知る藤川監督がどのように「勝利の方程式」を構築していくかも注目となりそうだ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
【関連記事】「もうやめたい。どう断ろう…」ドラフト指名に苦悩した大学生がなぜ? 阪神・岩崎優が100セーブ超えの“鉄腕守護神”になれた理由
【関連記事】「ちょっと舐めていました」――阪神・湯浅京己の告白 怪腕が向き合った難病、そして感覚と球質が一致しない“不安な日々”
【関連記事】阪神29歳内野手の“仕事人ぶり”にX注目 指揮官も思わず笑顔の2試合連続打点も話題「いよいよスーパーサブの枠におさまらなくなってきた」