ビーチバレーボール3年目のシーズンで奮闘を続ける坂口佳穂(21歳/マイナビ)が、今季最後の公式戦『ビーチバレー川崎市杯』(10月7日~8日/川崎市・川崎マリエン)に挑んだ。

 今年で9回目を迎える川崎市杯。今季は国内のトップツアーであるジャパンビーチバレーボールツアー2017には組み込まれていないものの、昨年まではツアー終盤の大事な1戦だったステータスの高い大会である。

 その会場となるのは、川崎マリエン。坂口が日々練習を重ねているコートだ。坂口としては、今シーズンの集大成として、是が非でも結果を残したいところだった。



今季、最後の公式戦に挑んだ坂口佳穂

 そして今回、ペアを組んだのは、小野田恵子(34歳)。細身ながらボールコントールがうまく、対応力の高い選手である。坂口が本格的にビーチに取り組み始めた2015年、トップツアーで初めてペアを組んだのが小野田で、坂口にとっては頼りになるプレーヤーだ。

 大会は8チームによるシングルトーナメントで行なわれ、1回戦の相手は鈴木千代(23歳)&浦田景子(39歳)ペアだった。

 鈴木&浦田ペアとは、7月に行なわれたジャパンツアーの大洗大会でも対戦。フルセットの末、破っている。坂口としては、今シーズン4度目の対戦となり、相手のアップテンポの攻撃への対応も十分のはずだった。

 しかし、先手を取って相手の攻撃を封じるというもくろみが外れ、13-21で第1セットを失った。坂口の強打が決まって幸先のいい出足だったものの、次第にレシーブで正確なボールを上げられなくなっていくと、相手のペースとなって点差も離されていった。6-7という序盤、追いつきたいポイントでサービスミスなども出て、以降は消極的なプレーが目立った。

「相手の速い攻撃はサーブで崩さないといけないが、ミスが続いて攻め切れなかった」と小野寺が言えば、坂口も「前半から、力みなのか、動きが悪く、その状態を変えられなかった」と反省する。

 第2セットは、坂口のサービスもようやく決まり出し、レシーブポジションをスイッチするなどして、守備の打開策も図った。だが、好プレーも単発で終わり、状況を一変させるまでには至らなかった。

 結局、試合を通して攻守ともに安定したプレーを続けることができなかった坂口&小野田ペア。第2セットも12-21で落として、セットカウント0-2で敗退した。

 今季最後の大会を終えた坂口は、厳しい表情を見せてこう悔やんだ。

「最後まで(悪い状態を)修正できなかったのが大きかった。相手の攻撃ではなく、自分たちのミスによって流れを手放してしまった」

 遡(さかのぼ)れば、今季の坂口は、新たなパートナーに藤井桜子(26歳)を迎えて再スタートを切った。自身3年目のシーズンということもあって、一層の飛躍が期待された。ところが、藤井とのペアも前半戦で解消。じっくりとチームを作っていくことができなかった。大会によってパートナーがコロコロと変わる状況では、さすがに目標とするベスト4入りが叶うはずもなかった。

 そんな3年目のシーズンを、坂口はこう振り返った。

「いいときのプレーは成長しているかもしれないが、(パフォーマンスの)いい試合も、悪い試合もあって、その差が激しかった」

 それでも、個々のプレーのスキルが上がっていることは確かだ。スパイクのボールは力強さを増して、コースを読まれることも少なくなった。とりわけ、エースを狙えるジャンプフローターサーブは、坂口の大きな武器のひとつになりつつある。

 およそ2年半前、ビーチバレーボールプレーヤーとしてスタートを切ったばかりの頃の坂口を知る小野田も、彼女の成長を認める。

「今日はともかく、(坂口は)大きく成長していると思う。トスが乱れても、強い球を打つことができるようになったし、レシーブの予測、動きもよくなった。気持ちも強くなっている」

 しかし、小野田がそう語る横で、坂口は厳しい表情を崩さなかった。坂口自身は、自らの足りない部分をよく自覚し、今の自分にまったく満足していないからだろう。

「もっとコンスタントに、いいプレーを続けないといけない。まだまだパワーも、スピードも足りない。成長しても後戻りしないように、課題をひとつずつクリアしていきたい」

 来季の抱負を聞かれて、そう語った坂口。話を終えると、真一文字に口を結んだ。現状に満足することなく、常に高みを目指している彼女の負けん気がよく表れていた。

 より結果を求められることになる4年目のシーズン。彼女の中でフツフツと沸き上がっている”モノ”が爆発し、かつてないほどの輝かしい姿を見せてくることを期待したい。

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