広島…
広島ドラゴンフライズは6月17日、中村拓人との2025−26シーズン以降の契約を解除することを発表。中村については5月20日に来シーズンの契約継続が発表されていたが、6月30日を持って契約が終了となり、他クラブに移籍することになるという。また、移籍先については後日、そのクラブから発表される予定であるとした。
愛知県出身で現在24歳の中村は、184センチ79キロのポイントガード。中部大学第一高校時代からインターハイ、ウインターカップ、アンダーカテゴリーの日本代表して活躍すると、大東文化大学進学後も4年次にはキャプテンとを務め、全日本大学バスケットボール選手権大会(インカレ)では優秀選手賞を受賞した。また、2年次にはレバンガ北海道、3年時から広島で特別指定選手としてプレー。22年12月13日、広島と正式にプロ契約を結んだ。
2023−24シーズンには、エースガードの寺嶋良がシーズン中にケガで離脱すると、先発PGを任されチームをけん引。ワイルドカードでの出場となったチャンピオンシップを勝ち上がり、広島に初のリーグタイトルをもたらした。また、今シーズンにはEASL(東アジアスーパーリーグ)に出場し、ここでも初優勝に貢献した。
中村は複数年の契約を解除する形でチームを離れることになるが、その経緯について、岡崎修司GMが公式サイトで説明をしている。
「中村選手とは最長となる4年の契約締結をしておりました。今シーズンは、昨シーズンよりも重要な役割を求められる中で苦しむ時期もありましたが、プレータイムは昨シーズンより伸び、成長した部分と新たな課題を見つけられたシーズンになっていたと思います。自分自身と向き合う姿勢から、来シーズン以降のさらなる成長に期待をしておりました。また、クラブとしては若手選手と一緒に成長しながら、Bプレミアを戦うつもりで編成や準備を進めてきております。中村選手とも中長期的にプレーしたいと考えており、彼がローテーションの中心を担うようなチーム構想と編成を進めておりました。
このような中、中村選手とエージェントより、来シーズンの契約を解除し、広島ではなく別の道で挑戦をしたいという申し出がありました。現場ではさまざまなことが起こると理解しておりますが、ご存じのように契約は希望すれば解除できるものではありません。また、どのクラブも編成が終了しているこのタイミングでの契約解除は、一般的にはクラブ・選手・移籍先すべてにとって非常に難しい状況となり得ますし、クラブとしても長期スパンで想定と調整をしてきた編成の計画の中で中村選手を失うことは、追加での補強や編成が必要となり、非常に大きな損失となります。
これまで何度も話し合いを重ね、来シーズン以降も一緒に戦いたいという思いを伝えてまいりましたが、結果的には新たなチャレンジをしたいという強い意志は変わりませんでした。そのため、双方が納得して前に進める落とし所を探し、様々な角度から解決策を模索する中で、最終的には残りの契約に対する大きな違約金を支払うという形で他クラブへ移籍する結果となりました」
今回の発表に際し、中村はクラブの公式サイトを通じてメッセージを寄せた。
「広島ドラゴンフライズのブースターの皆さん、こんにちは。まずは、特別指定選手の頃から含め約4シーズンたくさんのご声援ありがとうございました。今回広島を離れるという決断をしました。
一回きりの人生、そしてあまり長くはない選手人生を納得いくものにしていくために、今回とても悩みましたし、すごく難しい決断ではありましたが、成長を求めて今回の決断に至りました。
この広島の地で、バスケットボールを通してたくさんの方と出会い、素晴らしいチームメイトに恵まれとても充実したシーズンを過ごすことができました。みなさまのおかげでとても幸せでした。これまで支えてくださったスポンサー、クラブそして何よりもブースターのみなさま本当にありがとうございました!
広島で培ったものを今後のキャリアでも精進していきます。これまでありがとうございました。またお会いできる日を楽しみにしています!」
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