■エロンが独力で仙台に先制点をもたらす【J2リーグ第19節 6月15日 16時01分キックオフ 山形 3ー4 仙台 ND…
■エロンが独力で仙台に先制点をもたらす
【J2リーグ第19節 6月15日 16時01分キックオフ 山形 3ー4 仙台 NDソフトスタジアム山形】
ドラマティックな幕切れとなった。
J2リーグ第19節が6月14、15日に開催され、3位のベガルタ仙台は15日、15位のモンテディオ山形と敵地で対戦した。この試合で前半戦が終了となる節目の一戦だ。
両チームの順位には大きな開きがあり、仙台は3戦負けなしで、山形は3連敗中だ。しかしながら、このカードは「みちのくダービー」である。お互いのプライドが、激しくぶつかり合う。予測のつかない一戦だ。
果たして、熾烈なシーソーゲームが繰り広げられていく。
試合は開始早々に動いた。仙台が、動かした。
敵陣センターサークルを越えたところで、FWエロンがパスを受ける。攻撃のきっかけは相手の不用意なボールロストで、仙台からすればカウンターの局面である。
エロンはゴール正面からドリブルで運んでいき、相手のアンカーに身体を寄せられながら、身体の軸がブレることなくゴールへ突き進む。持ち味であるフィジカルの強さを発揮して、ペナルティアークに入ったところで右足を振り抜く。山形のCB西村慧祐の足に当たってコースが変わった一撃が、ゴール左スミへ吸い込まれた。
先手を取った仙台だが、12分に同点とされてしまう。中盤でのボールの奪い合いで劣り、テンポ良くパスをつながれて失点した。
しかし、18分に再び一歩前へ出る。左SB石尾陸登のビルドアップへの関わりが、仙台に2点目をもたらすのだ。
■右サイドのホットラインで仙台が2点目奪取
18分、チーム全体が敵陣へ押し上げていったなかで、左SB石尾がボランチのような立ち位置を取る。ペナルティアーク手前でパスを受け、相手を引きつけて右サイドへ展開すると、右SB真瀬拓海がライナー性のクロスをゴール前へ入れる。これをMF郷家友太がヘディングシュートで合わせたのだった。
仙台の左SBは石尾、奥山政幸、それに石井隼太が森山佳郎監督のチョイスとなっている。3人のなかで石尾は攻撃力を評価されており、これまではタッチライン際のレーンを積極的に使ってきた。縦への持ち出しからクロスを入れる、自らシュートへ持ち込むといったプレー選択が多く、中央まで入っていく機会は少なかったのだが、徐々にプレーエリアを拡げている印象だ。
真瀬のパスから郷家のフィニッシュというパターンは、仙台にとって狙いどおりである。右サイドは郷家がサイドハーフ、真瀬がサイドバックを担い、タッチライン際のレーンはオーバーラップが得意の真瀬が使うことが多い。真瀬がクロスの供給役となり、郷家はゴール前でフィニッシャーとなるのだ。
チームのキャプテンを務める背番号11は、ヘディングシュートの技術が高い。この2点目もライナー性のクロスにDFの前でコンタクトし、ニアサイドを破ったのだった。これでチームトップの6ゴール目だ。
ところが、仙台は22分にまたも追いつかれてしまう。前半は2対2で折り返した。