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 6月15日、男子バスケットボール日本代表のディベロップメントキャンプがメディアに公開され、将来のA代表入りを目指す若手選手たちが参加。その中で注目を集めたのが、アメリカのボストンカレッジでプレーするテーブス流河だ。

 昨年に続くキャンプ参加となったテーブスは、経験を積んだ分、今年はより余裕を持って取り組めていると語った。

「去年よりは余裕を持ってできている感じがあります。大学での経験や、去年のこのキャンプで得たことを生かして、楽にプレーできています。この調子でいけば、いい結果を出せるんじゃないかと思います」

 テーブスが所属するボストンカレッジは、デューク大学やノースカロライナ大学など名門がひしめくアトランティック・コースト・カンファレンス(ACC)に属している。NBAを目指す選手たちと日々対峙する環境で、彼は順風満帆とは言えない1年を過ごした。

「本当に山あり谷ありでした。試合に出られたこともあれば、1分も出られない試合もあった。いいときも悪いときもありました。でも、その“悪いとき”があったからこそ、今につながっていると思っています。ただの失敗で終わらせず、そこから何かを得ることができたのが大きいです」

 激しい競争と限られた出場時間の中で、どれだけ自分を信じて前進し続けられるか。テーブスはその厳しい環境で、確実に自分の糧となるものをつかみ取ってきた。

 この夏、彼が挑むのは日本代表としての活動だ。ディベロップメントキャンプを経て、アジアカップのロスター入りが次の目標となる。しかし、彼の視線はさらにその先を見据えている。

「A代表に入ることは1つの夢ですが、それ以上にロス(オリンピック)に出場したいという気持ちが強いです。だから今はあまり先のことは考えすぎず、一日一日を大切にして、成長し続けたいと思っています」

 自身のアピールポイントとして、テーブスは「バランスの良さ」を強調する。得点力だけでもなく、アシストだけでもない、総合的なプレーメイク力にこそ強みがあると自負している。

「バランスの取れたポイントガードとしてアピールしていきたいです。そういったガードは自分の中でも少ないと感じているので、自分がそこを出していければ、周りから一歩抜け出せる存在になれると思います」

 ACCという全米屈指のハイレベルな舞台で、ドラフト候補クラスの選手たちと戦う日々。テーブスはその壁の高さを実感しながらも、確かな手応えも得ている。

「どのチームにもドラフトにかかりそうな選手がいて、毎試合が大きな挑戦です。でも、自分がやれるという自信も少しずつついてきました。もちろんフィジカルやスピード、バスケットIQなど、まだまだ足りない部分は多い。でもこの環境でプレーできていること自体が、大きな財産です」

 また、このキャンプには16歳で代表候補入りを果たした白谷柱誠ジャックの姿もあった。若き才能について問われると、テーブスは目を細めた。

「ジャックは本当に落ち着いていて、若いのに堂々とプレーしている。これからが楽しみな選手です」

 試練の1年を糧に、代表の舞台でさらに飛躍を遂げることができるか。テーブス流河は、夢への階段を一歩一歩、着実に登っている。

【動画】テーブスも出場したACC ボストンカレッジvsノースキャロライナ大ハイライト