「これは、世界中のスポーツブランドへの宣戦布告だ」 刺激的なキャッチコピーは、「挑戦」を人生の信条としてきた本田圭佑(…
「これは、世界中のスポーツブランドへの宣戦布告だ」
刺激的なキャッチコピーは、「挑戦」を人生の信条としてきた本田圭佑(39)らしさを表現していた。
日本代表としてサッカー・ワールドカップ(W杯)に3大会出場し、実業家としても活動している本田が、新たにスポーツブランド「mgh」を立ち上げた。東京都内で13日にあった発表記者会見では、ブランドの誕生について「スポーツ商品の高価格(化)に思うところがあった」という自身の問題意識が出発点になったことを明らかにした。
トップアスリートとして、スポーツブランドから最高級の服や靴の提供を受けてきた。ただ、それらはあくまでプロ選手のためのもの。スポーツを始めたばかりの子どもたちや、運動を楽しみたいだけの人たちにとって果たして適正な価格や品質なのか。そんな疑問を抱いていたという。
「ハイブランド=いいもの」という固定観念を覆したい。もっとかっこよくて、リーズナブルなものを広めていきたい。そして、一人でも多くの人がスポーツを楽しんだり、体を動かしたりする一助になれるように、と製品づくりを進めてきた。
■スポーツ店に「市場調査」も
機能的でデザインがよく、比較的安価なスポーツウェアやシューズを作るためには、品質の確保はもちろん、他ブランドの状況も把握する必要があった。本田は自らスポーツ店を訪れ、様々なスニーカーの価格帯や履き心地などを「市場調査」したという。
会見で本田は自ブランドの商品を着用。生地からこだわった黒の半袖Tシャツ(税込み4620円)は、トレーニング時に愛用しているという。スニーカー(同1万3200円)は、黒の色みやかかとのホールド感などを製造者と繰り返し調整したそうだ。
ブランド運営会社の取締役に就いた本田は、「ものすごく安いわけではないが、かっこよさも追求した。靴は私服でもいけるし、この価格帯で他のトップクラスのものと品質で引けを取らないと思う。強気に、勝負を仕掛けていきたい」と自信をみなぎらせた。
■現役続行宣言も
運営会社代表は、スポーツコンテンツの配信サービスを手がける運動通信社社長の黒飛功二朗氏が務める。プロダクトのリーダーは、元三菱商事で繊維部門を担当していた林周一郎氏が担い、会見では「スポーツを一部の誰かのものではなく、みんなのものにするための挑戦」という理念が強調された。
トークイベントで「体が続く限りは、(選手を)やり続けたい」と現役続行宣言をした本田も、「スポーツを本気でやる人だけでなく、健康になりたい、やせたい、という人たちにも触れてもらいたい。運動への(気持ちの)ハードルを少しでも下げられれば」と熱っぽく語った。
当面は1千人限定で、男性用のTシャツ、ハーフパンツ、ソックス、スニーカーの4点セット(計2万4860円)を抽選で受け付けるという。消費者はどんな評価をするのか。ブランドは来年2月から本格展開を開始する。(野村周平)