(15日、第107回全国高校野球選手権沖縄大会1回戦 首里3―0嘉手納) 「嘉手納、いけー!」「ナイスボール!」 一塁…
(15日、第107回全国高校野球選手権沖縄大会1回戦 首里3―0嘉手納)
「嘉手納、いけー!」「ナイスボール!」
一塁側のスタンドから、嘉手納のメンバー10人の背中を押す声援が飛んだ。
チームカラーであるえんじ色のメガホンを持っていたのは、読谷の部員約60人だ。
「ライバルだけど、同じチームくらい応援したい気持ちが強いんです」。朝の練習を終えてから駆けつけたという読谷の主将、新垣陽友(ひゆう)(3年)は声をからした。
両校の距離は近く、同じ中学出身の部員も多い。練習試合をすることもあって、互いをよく知る仲だ。
2010年春、16年夏の甲子園に出場した嘉手納だが、近年は部員数が減っている。昨秋はぎりぎり9人だったが、うち1人が病気で練習に参加できず、チームは実質8人に。単独校として大会に出ることが危ぶまれた。
そこで両校で相談し、読谷から選手2人が加わることになった。「単独廃校ルール」は自校に5人以上の部員がいれば、合計10人になるまで他校から部員を借りられる制度だ。今春から一緒に練習をスタートし、夏の沖縄大会に臨んだ。
読谷から来た1人で、この日「9番・右翼」で出場した新垣吏飛(りと)(2年)は読谷でベンチ入りしたことがあったという。
ただ、「このままベンチで終わるかもしれない。監督から『嘉手納で頑張らないか』と声をかけられたとき、試合に出られるのなら、そっちの方が楽しいと思った」。
最初は不安があった中で、嘉手納の先輩たちはよく声をかけてくれたり、練習後に近くの公園でサッカーに誘ってくれたりした。
この日、新垣は3打数無安打。チームも敗れた。それでも「おもしろい先輩ばかりで、すぐにチームになじめるような雰囲気を作ってくれました。本当に楽しかった」。
嘉手納の主将、比嘉壮太(3年)は「彼らがいないと練習試合もできなかった。こうやって最後まで試合ができて感謝しかない」。読谷の応援についても、「想像以上に声がでかくて驚きました」と笑い、「最高の応援をもらえて幸せでした」。
試合後、球場外では読谷の部員たちが、嘉手納の選手たちを待っていた。
「お疲れさま。本当に頑張ったよ」
「ありがとうな。おれたちも絶対に応援に行くからな」=宜野湾(室田賢)