宮浦はいつも以上の使命感を背負って大会に臨んでいる(C)Volleyball World バレーボールの男子日本代表は現…

宮浦はいつも以上の使命感を背負って大会に臨んでいる(C)Volleyball World
バレーボールの男子日本代表は現地時間6月13日、中国で行われている「FIVBネーションズリーグ」予選ラウンド第1週のオランダ戦に臨み、3-0(25-18、25-23、25-18)で勝利。これで3勝1敗と勝ち越し、第1週を終えている。
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オリンピックサイクルの1年目、それもシーズン最初の国際大会。新鮮な顔ぶれもコート上には並ぶ中、頼もしいパフォーマンスを披露しているのがオポジットの宮浦健人(ウルフドッグス名古屋)だ。中国との初戦を終えて、「今大会が初めてという選手や若手もいるので、コート内では自分が年上になります。そこでは引っ張ることを意識していました」と語ったように、チームを牽引する姿勢がにじみ出る。それはプレーにも表れ、オポジットという点取り屋のポジションとして当然とはいえ、第1週を終えて総得点55は堂々のチームトップである。
予選ラウンド第1週を締めくくるオランダ戦。相手サーブで始まった試合のファーストプレーは、宮浦のアタックで日本が先制点を挙げた。こん棒のごとし左腕から繰り出す力強い一打は、まるで号砲のよう。もとより「セットの20点以降はギアが上がる感覚があって、その勝負強さは自分としても得意としているところ」と本人は言ってやまないが、このネーションズリーグでは序盤からギア全開といったところだ。
オランダ戦では第1セット、第2セットでいずれも5得点をマークし、「集中して、点を取りきりたいところで得点できた」と宮浦。続く第3セットは早々にブロックシャットを浴びるなど「まだまだ課題が残る」と唇を噛んだものの、中盤までサイドアウトの応酬が繰り広げられた中、16-15からサーブ順が回ってくると2本連続でサービスエースを奪ってみせる。2本とも相手リベロを強襲するサーブで、ここからチームはブレイクをあげて20-15と一気にリードを広げた。すでに日本は2セットを連取しており、第3セットひいては試合を決定づける連続サービスエースだった。
日本のポイントゲッターとして、今回のネーションズリーグで躍動している宮浦。振り返れば、パリ五輪までの期間にレベルアップを遂げるべく、ポーランドやフランスといった海外リーグに身を投じた。いざパリ五輪本番では同じポジションの西田有志(大阪ブルテオン)の控えに回る時間帯が長く、「まだまだ力不足で試合にも絡めず、チームにも貢献できなかった」と悔しい思いを味わった。だからこそ「一回り、二回りも成長したいですし、それができると思っています」と息巻いて2024-25大同生命SVリーグに臨んでいた。
そのクラブシーズンを控えた昨年9月の公開練習で、宮浦はこんな言葉を口にしていた。それは、すでに西田が2025年の代表活動は休養することを受けて、報道陣から自身の心境を聞かれたときのこと。
「僕としても、これまで以上に出場機会があるかもしれません。ですので、このクラブシーズンを頑張りながら個人としても成長して、次の代表シーズンを迎えられればいいかなと思っています」
その言葉どおり、ますます成長を遂げて、この代表活動をスタートさせた。いや、まだまだこれからも成長し続ける。チームを勝利に導く役目とともに、その歩みを止めることはない。
[文:坂口功将]
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