第107回東西東京大会は、6月14日に抽選会が行われ、7月5日に開幕する。今年は西東京のシード校が多く、個人の能力の傑出…
第107回東西東京大会は、6月14日に抽選会が行われ、7月5日に開幕する。今年は西東京のシード校が多く、個人の能力の傑出度では、東東京を上回る声がある。西東京を熱くする逸材たちを紹介したい。
西東京の強豪のエースはほとんどがサウスポー!
今年の西東京の特徴は、左の好投手が多いということと、主将にキーマンが多いということだ。そして、左腕の好投手であり、主将であるのが早稲田実の中村 心大投手(3年)と日大鶴ケ丘の住 日翔夢投手(3年)だ。
中村は2度の甲子園を経験し、マウンド上の姿に貫禄が出てきた。140キロ台半ばの速球にチェンジアップ、スライダー、フォークボールなどを駆使する。秋季都大会で早稲田実は中村を背番号9にし、小俣 颯汰投手(2年)、浅木 遥斗(3年)、田中 孝太郎(2年)ら控えの投手を育ててきたが、夏はやはり中村が中心になる。
早稲田実では昨夏の甲子園を経験した中村 晴翔捕手(3年)と川上 真内野手(3年)も注目だ。昨夏はまだ急造捕手だった中村は、2度の甲子園を経て大きく成長。4番打者として攻撃の面でも中村とともに得点源になっている。昨夏は控え投手だった川上は、秋以降は遊撃手にコンバート。このポジションにも慣れ、強肩の遊撃手であり、攻撃では切り込み隊長の役割を果たしている。
住は、上一色中時代に全国大会で優勝している。最速143キロの速球に、多彩な変化球を自在に操る。日大鶴ケ丘には一塁手との二刀流である右腕の小林 駿斗投手(3年)もいる。小林は一昨年の秋季都大会では変化球主体の投球で21回連続無失点に好投をしたが、最速が140キロを超え、投球に幅ができた。
八王子の左腕・古山 球道投手(3年)は、住と同じ上一色中の出身だが、中学生と時は控え投手で目立たない存在だった。高校に入って急成長。春季都大会では二松学舎大付を被安打3で完封したのをはじめ、先発投手として23回2/3連続で無失点の好投をした。
八王子の主将・新井 唯斗内野手(3年)は、1年の夏に3番・中堅手で公式戦にデビューした。この春はチーム事情で遊撃手にコンバート。慣れないポジションに失策も多いけれども、華麗なプレーに野球センスを感じさせる。春季都大会では、チームに勢いをつける打撃も光った。多数のプロ球団のスカウトから注目を集めており、夏初戦からアピールしたい。
左腕投手で完成度の高さでは、東海大菅生の上原 慎之輔(3年)だ。最速は143キロほどだが、それ以上の威力を感じさせる。東海大菅生には、川崎 稜太投手(3年)と藤平 寛己投手(3年)の両右腕もいる。ともに最速は146キロの球威がある。特に藤平は打撃も良く、二刀流の活躍も期待される。

東海大菅生、国学院久我山など私学の強豪にも強打者揃い
東海大菅生の主将・前田 蓮内野手(3年)は、田中 幹也(現中日)以来続く名遊撃手の系譜を受け継ぎ、攻撃面でも試合を動かす存在である。東海大菅生では、小上防 登生内野手(3年)も注目だ。ライナー性の打球で柵越えをする振りの鋭さは一級品だ。
日大三の主将・本間 律輝外野手(3年)は、昨夏の西東京大会では2試合連続で先頭打者本塁打を放つなど、チームに勢いをつける打撃をする。やはり昨夏を経験している松岡 翼内野手(3年)は、打撃、遊撃手の守りともにうまさがある。投手陣の柱である近藤 優樹(3年)は、カーブ、チェンジアップなど変化球のキレが鋭い。
左腕投手では、佼成学園の熊谷 憲祐(3年)も注目の存在。昨年の秋季都大会では帝京に敗れはしたものの、被安打4,自責点0に抑えている。
工学院大付の岩月 幸大投手(3年)はまだ粗削りながら、身長186センチの大型左腕としての期待がかかる。国士舘の鎌村 曜平投手(3年)も球威のある左腕投手だ。左腕投手でも、日大二の宮村 笑琥(3年)、錦城の宮地 晴大(3年)、拓大一の岡部 蓮(3年)はうまさが光る投手だ。
右腕投手では、明大八王子の下手投げ・上原 和玖(3年)、法政を6年ぶりのシード校に導いた横手投げの福田 悠成(3年)も注目だ。また三塁手との二刀流で府中東を初のシード校に導いた齋藤 拓真投手(3年)は、サイド気味のフォームからテンポよく投げ込み、春季都大会では立正大立正、早大学院を破った。マウンド上の雰囲気は、1980年に都立校初の甲子園出場を成し遂げ、後に東大でも活躍した市川武史に似ている。
國學院久我山の柳本 晴(3年)は投手と三塁手の二刀流で、投打でチームを引っ張る。國學院久我山のモネケ ジェレミー結内野手(3年)は、代打での出場が多いが、身長190センチ、体重118キロの巨体が持つ可能性にプロも注目している。
都立では豊多摩の中村 拓磨投手(3年)は、昨夏の西東京大会で創価を5回無失点に抑えている。創価の小牧 莉央外野手(3年)は打撃のうまさが光る。一発の魅力では世田谷学園の坂本 勇希内野手(3年)が群を抜く。駒大高の主将・福本 拓生(3年)は、1年の夏から公式戦に出場している強肩強打の捕手だ。